男性の育休からの嫌がらせ人事で会社を辞めざるを得なくなったことが話題に上っていますが、もちろん女性なら問題ないということではありません。
←男の育休、昔はパンダ並みだったんですよ
ただ、女性の育休なら会社のほうもいまさら意外ってことはないので、どう対応するか既に固まっているでしょうね(良くも悪くも)。
私が育休とったのは、またろうのときの一回です。何しろ四半世紀前のことなので、女性の育休でも会社はイマイチ不慣れだったようで、不利益取り扱いがありました。
ひとつは、復帰した年の評価が下がったこと。復帰は年度「ちょうど」だったので、評価の対象はちゃんと一年丸ごとありました。そして上司曰く私の働きには満足していると。でも「去年度の評価がなかったからC」。
もうひとつは、昇格が遅れたこと。入社直後の格付けから始まって、三年経つと同期入社横並びで(評価と無関係)ひとつ上がる扱いになっていましたが、私が育休に入ったタイミングが、この「三年」の直前だったのです。それで「バスに乗り遅れた」感じになって、もちろん復職してすぐ勤続3年にはなるのですがそれでは上がらず、「途切れない三年」が来るまで上がれない扱いになってしまいました。倍近くかかってしまいますね(実際は倍まで行かないうちに、上司が会社に掛け合ってくれました)。
これらは、明らかに不利益扱いですが、ただしこれは嫌がらせってわけじゃないんです。会社としては、ただふつうに働いてほしいだけで、別に辞めてほしいとか、育休なんて取るなよとかそういうつもりではありませんでした。昇格しないくらいじゃ「転勤」などと違ってこちらも特に生活に支障があるわけではないので、辞めさせる役には立ちませんね。
辞めてほしいんでもないのになぜこんな扱いになっていたかということですが、このあとずいぶん(何年も)かかって社内あちこちで聞き込みをしたところ、会社にそのような意図はなく(笑)その上司の誤解というか個人プレーの結果であるというのが公式見解らしいです。ただ、私と同じような体験をした人は実際多いようなので、何人もの管理職が「誤解」したとしたら、会社自体の問題でもあることは否定できませんけど。育休みたいな「ちゃんとした」理由と手続きのある休職ではない何かのブランクの扱いが、育休についても慣用されていたというようなことらしいです。
(現在はそのようなことはなく、休職期間を切ってつないで考えれば辻褄が合うように運用されていると聞いてます)
ちなみに夫が育休を取ったときは男性育休が社内第一号であったにもかかわらず、不利益扱いや嫌がらせ一切ありませんでした。出過ぎた杭は打たれないといいますが、何か変なことすると目立っちゃう!? ということで会社も緊張していたのかもしれません。
さて、今回の話題になった件は、評価やら昇格やらとレベルが違います。転勤(転居を伴う)はたいへん生活破壊的で、とりわけ0歳児と2歳児の保育園をようやく確保して復職しようとしたときに転勤となればそりゃ詰みますね。この場合、面談もして交渉しているのに、取り消しはもちろん時期をずらすことにも応じなかったので、まぁつまり翻訳すれば辞めてほしいということでしょう。
この配転命令が法律的にオッケーな範囲かどうかは、業務上の必要とか本人の状況とかいろいろ総合的に判断しなきゃいけなくて線引きは…待て最高裁判決、という具合でそりゃ大変なのですけど、法律的にどちらが正しいという話ではなくて、事実として会社は(あるいは上司が)その社員が辞めるように行動したということです。それまでの仕事ぶりに問題がなかったのなら、「そういうふうになるので育休はとらないほうがいいという空気を作りたい」かまたは「育休を取るような男性には辞めてほしい(育休を取っても、不意配転に応じるようなら許してやる-踏み絵)」のいずれかですね。それを上司だけが考えていたのか、会社もそうなのかはわかりません。
ただ、日本にその程度のことをしている会社はたくさんあるだろうに、たまたまツイッターからbuzzってしまって、会社としては運が悪かったと思っているかもしれません。でも火消しが下手なのはたまたまとかそういうことではなくて、結局ふだんから社員を大切にしていないと、急に取り繕って作文はできないということだと思います。
当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて
「当社の対応に問題は無いことを確認致しました。」なんて火に油を注ぐし
「転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません。」といいつつその根拠のひとつも示さないし
「育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。」などと配慮義務に沿わない宣言(!)してみたり
「希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした。」とかね。ここで「けじめ」とかいって火消しできるわけがない。(*)
元々、法律違反でさえなきゃなんでもやるぜ的な会社なわけではなくて、何か表彰されたような会社だそうなので、今回の件は不運ですが痛かったと思います。厚労省の資料を読んで出直しましょう。
「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」を公表します
~事業主が従業員の転勤の在り方を見直す際に役立ててほしい資料を作成~
とにかく転勤というのは給料や評価や昇格よりずっとインパクト巨大です。自由に社員をあちこち動かせると思うのは生涯雇用/専業主婦モデルが崩壊した時点でもう無理では…
我が家は夫婦フルタイム共働き、祖父母も離れて住んでいる中、子ども三人育ててここまで来ましたが、この「奇跡」は引っ越ししないで勤続できたことにより辛くも実現できたものです。ほんとは一度、事業所移転(部署まるごとの引っ越し)があってピンチだったのですが、よしぞうは引っ越ししないで済むよう社内転職を希望してしのぎました。
(*)転勤の問題とは別に、有給を消化できない退職日に無理やり設定させたというのがありましたが、会社はその「無理やり」のところには証拠がないだろうと見込んで、社員が自主的にそのような退職日を設定したという作文になっています。裁判したらどうなるのかはともかく、説得力ないねぇ。
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ただ、女性の育休なら会社のほうもいまさら意外ってことはないので、どう対応するか既に固まっているでしょうね(良くも悪くも)。
私が育休とったのは、またろうのときの一回です。何しろ四半世紀前のことなので、女性の育休でも会社はイマイチ不慣れだったようで、不利益取り扱いがありました。
ひとつは、復帰した年の評価が下がったこと。復帰は年度「ちょうど」だったので、評価の対象はちゃんと一年丸ごとありました。そして上司曰く私の働きには満足していると。でも「去年度の評価がなかったからC」。
もうひとつは、昇格が遅れたこと。入社直後の格付けから始まって、三年経つと同期入社横並びで(評価と無関係)ひとつ上がる扱いになっていましたが、私が育休に入ったタイミングが、この「三年」の直前だったのです。それで「バスに乗り遅れた」感じになって、もちろん復職してすぐ勤続3年にはなるのですがそれでは上がらず、「途切れない三年」が来るまで上がれない扱いになってしまいました。倍近くかかってしまいますね(実際は倍まで行かないうちに、上司が会社に掛け合ってくれました)。
これらは、明らかに不利益扱いですが、ただしこれは嫌がらせってわけじゃないんです。会社としては、ただふつうに働いてほしいだけで、別に辞めてほしいとか、育休なんて取るなよとかそういうつもりではありませんでした。昇格しないくらいじゃ「転勤」などと違ってこちらも特に生活に支障があるわけではないので、辞めさせる役には立ちませんね。
辞めてほしいんでもないのになぜこんな扱いになっていたかということですが、このあとずいぶん(何年も)かかって社内あちこちで聞き込みをしたところ、会社にそのような意図はなく(笑)その上司の誤解というか個人プレーの結果であるというのが公式見解らしいです。ただ、私と同じような体験をした人は実際多いようなので、何人もの管理職が「誤解」したとしたら、会社自体の問題でもあることは否定できませんけど。育休みたいな「ちゃんとした」理由と手続きのある休職ではない何かのブランクの扱いが、育休についても慣用されていたというようなことらしいです。
(現在はそのようなことはなく、休職期間を切ってつないで考えれば辻褄が合うように運用されていると聞いてます)
ちなみに夫が育休を取ったときは男性育休が社内第一号であったにもかかわらず、不利益扱いや嫌がらせ一切ありませんでした。出過ぎた杭は打たれないといいますが、何か変なことすると目立っちゃう!? ということで会社も緊張していたのかもしれません。
さて、今回の話題になった件は、評価やら昇格やらとレベルが違います。転勤(転居を伴う)はたいへん生活破壊的で、とりわけ0歳児と2歳児の保育園をようやく確保して復職しようとしたときに転勤となればそりゃ詰みますね。この場合、面談もして交渉しているのに、取り消しはもちろん時期をずらすことにも応じなかったので、まぁつまり翻訳すれば辞めてほしいということでしょう。
この配転命令が法律的にオッケーな範囲かどうかは、業務上の必要とか本人の状況とかいろいろ総合的に判断しなきゃいけなくて線引きは…待て最高裁判決、という具合でそりゃ大変なのですけど、法律的にどちらが正しいという話ではなくて、事実として会社は(あるいは上司が)その社員が辞めるように行動したということです。それまでの仕事ぶりに問題がなかったのなら、「そういうふうになるので育休はとらないほうがいいという空気を作りたい」かまたは「育休を取るような男性には辞めてほしい(育休を取っても、不意配転に応じるようなら許してやる-踏み絵)」のいずれかですね。それを上司だけが考えていたのか、会社もそうなのかはわかりません。
ただ、日本にその程度のことをしている会社はたくさんあるだろうに、たまたまツイッターからbuzzってしまって、会社としては運が悪かったと思っているかもしれません。でも火消しが下手なのはたまたまとかそういうことではなくて、結局ふだんから社員を大切にしていないと、急に取り繕って作文はできないということだと思います。
当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて
「当社の対応に問題は無いことを確認致しました。」なんて火に油を注ぐし
「転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません。」といいつつその根拠のひとつも示さないし
「育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。」などと配慮義務に沿わない宣言(!)してみたり
「希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした。」とかね。ここで「けじめ」とかいって火消しできるわけがない。(*)
元々、法律違反でさえなきゃなんでもやるぜ的な会社なわけではなくて、何か表彰されたような会社だそうなので、今回の件は不運ですが痛かったと思います。厚労省の資料を読んで出直しましょう。
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とにかく転勤というのは給料や評価や昇格よりずっとインパクト巨大です。自由に社員をあちこち動かせると思うのは生涯雇用/専業主婦モデルが崩壊した時点でもう無理では…
我が家は夫婦フルタイム共働き、祖父母も離れて住んでいる中、子ども三人育ててここまで来ましたが、この「奇跡」は引っ越ししないで勤続できたことにより辛くも実現できたものです。ほんとは一度、事業所移転(部署まるごとの引っ越し)があってピンチだったのですが、よしぞうは引っ越ししないで済むよう社内転職を希望してしのぎました。
(*)転勤の問題とは別に、有給を消化できない退職日に無理やり設定させたというのがありましたが、会社はその「無理やり」のところには証拠がないだろうと見込んで、社員が自主的にそのような退職日を設定したという作文になっています。裁判したらどうなるのかはともかく、説得力ないねぇ。
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