アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

リヒテルの高い椅子、グールドの低い椅子

2019年08月01日 | ピアノ
ピアノを再開した直後くらいのとき、非常にしばしば人前演奏がたいへん残念な崩壊をした原因って、「椅子の高さ」にもあったと思うんです。

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お尻が落ち着かないというか、しっくり来ないまま弾いていると、弾けるものも弾けない…まぁ、そのころ実際にめちゃくちゃ下手でしたけど、通常モードに増してひどくなります。

なんでしっくり座れないかというと、今との大きな違いは、場数踏んでなかったから、人の目があるだけで無意味に焦るんで、椅子をテキトーにセッティングしたらもうそのまま弾いてしまっていたんですよね。座ってみて「あっ高すぎる(低すぎる)」とか思っても、また立ってやおら椅子を調整するとか、そういう度胸がなくて。

今は、座ってみて、あっこりゃダメだと思えば椅子を直すくらい平気でできますので、極端に困ることはなくなってきました。

でも、実は自分にとってどの高さがベストなのか、ほんとのところあまり掴めていないような気がするんです。家でめるちゃんを弾くときの椅子は、ふつうほかの人がいじらないので高さも毎日同じですから、まぁ慣れます…慣れれば、仮にそれが多少不適切でもある程度弾けてしまいますから、特に違和感を持たない。でも、あるときふと椅子の高さを変えてみると、あれ? こっちのほうがいい??

人前で弾くときは、ぜひ「慣れている高さ」(おうちで弾いていたとおり)で弾きたいものですが、違う場所、違うピアノ、違う椅子で、どうもどこがジャストの高さなのかわからない。最近は極端なことはないとはいえ、弾いてる最中に「ちょっと違うんだよねぇ~」と思っていることはやっぱりある。

最適な椅子ポジションは、背の高さ、腕の長さ、弾き方、弾く曲などによっても変わる可能性があるから、なかなか理屈でこれがベストポジションというふうには決まらないだろうけど、それでも大雑把なセオリーというのがあれば、試すにも指針があるぶん迷子にならずに済むでしょう。

今朝、電車の中で読んでいた「ピアニストが見たピアニスト」の中に、リヒテルの椅子が極端に高かった話そのほかが書いてあったんだけど(低く座ったら体にも指にも力が入らない、とリヒテル談)、そこいらへん読んでもどうも原則が見えてこない。

「一般的に、背の高いピアニストは低い椅子に座り、背が低いピアニストは高い椅子に座りたがる傾向がある。」という記述もあるけど、リヒテルは全然それに当てはまらず(でかいくせに高い椅子)、グールドも内藤晃も大男じゃないし、いろんな例を思い浮かべるほど混乱してくる。

むしろ、曲によって椅子の高さを変えているピアニストの記述のほうが参考になるかもしれない。ハンガリー生まれのヴァシャーリという人の話。リスト音楽院では高い椅子で弾くよう指導されていたが、しっくりこなくて、低くしてみたところ、具合よく、暖かみのある音が出せるようになったが、逆にリスト「超絶技巧練習曲」のような曲が弾きにくくなってしまった。それで、曲によって椅子の高さを変えることにしたんだけど…

「ショパンの曲のように腕を浮かしたほうが弾きやすい場合は高く、ベートーヴェンのように鍵盤に重みをかけたほうがいい場合は低い位置に座ることで問題を解決した」

…ん? 待てよ?? 「超絶技巧練習曲」は「腕を浮かしたほうが弾きやすい」曲なのか?
というか、たとえば内藤先生の弾き方見ていて、とてもじゃないけど鍵盤に重みをかけるために低い位置に座っているとはいえない。

というわけで、読む前より余計わけわかんなくなりました。どっかにもうちょっとまとまった記述はないだろうか。

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