えっと、何のことかというと、ずっとフルタイムの仕事をしながら三人の子どもを育ててきた、というね。そういうの「よくばり」というらしいですよ。
←四半世紀で変わったなと思うことも変わらないなと思うことも
広島県が、「働く女性応援ハンドブック」というパンフレットを作成しました。
内容は、非常に充実した内容を見やすくまとめていて、よくできていると思います。
働くこと、子育てすることに関する、法律や制度、お役立ち情報から、困ったときの相談窓口まで。
全国誰でも閲覧できるようPDFで公開されていますが、窓口など広島県ローカルな情報もありますので、こういった資料は各都道府県でもほしいところですね。もうあるのかもしれないけど(最近のことは知らない)。
で、このパンフレットが「炎上」したということなのですが、それはどういうことかというと、
「働く女性応援『よくばり』ハンドブック」
この四文字が曲者でしたね。
そんなことで炎上するのはおかしい、という意見もあるようですが…本人があれもこれも欲張りたい、という表現はおかしくないとしても、他人から「欲張りだ」と言われたらカチンと来るでしょう。「宝くじ買ったので、一億円当たらないと嫌だ」といったらまぁ欲張りと言われてもしょうがないですが(笑) 仕事と暮らし(子育て)両方するのってふつうのことですから。というか、ふつうのことにしようとしているハンドブックなんですよね? 意図としては。
つまり、編集上、ここにあえて「よくばり」とつけて得することは何もないし、「よくばり」をつけたことによる反発が予想できなかったとしたら、そりゃずいぶん頭がお花畑です。
もっとも、ここで「よくばり」をつけなきゃそれで済むことだったのかというと、それはもうちょっとだいぶ複雑な問題です。
男性が、仕事をして、子どももいるという場合でも、それだけで「よくばり」と表現されることはありません。それはなぜかといえば、確かに子どもはいて、休日には子どもと遊んだり、家事を「手伝ったり」しているかもしれませんが、でもそれだけでいいのであれば、独身男性の「趣味」の範疇とあまり変わらない負担で済み、「一人前」に仕事をすることがさほど無理なくできるからです。「一人分」の人生といってもいい。無理してない、欲張ってないんです。
私の夫、よしぞうの場合はそれと違いました。子どもに対して親であるということに関しては、私とまったく同等であるという考えで、子育てを半分する権利も責任もあると思っていたからです。そうするとどうなるかというと、「出産」こそしないものの、その前後で必要となるサポートのために結局会社を休みますし、赤ん坊が保育園に預けられるようになるまでは育休を取りますし、保育園のお迎えのために早く会社を出たり、子どもの病気で会社を休んだり、転勤を断ったり、出張を調整したりするわけです。
仕事と子育てを両方するために、両方をいろいろ調整して、やりくりしていたのです。これって、「よくばり」じゃないですか?
子育てについては、私も同じくらいやっていたので、0.5人分としましょうか。そうすると、「1人分」の仕事と「0.5人分」の育児をすると「1.5人分」となり、ちょっと欲張った感じになっています。それによって生じる無理を、関係各方面の協力に頼って、マネージするわけです。
私もまったくこれと同じ状況だったといえます。1.5人分。
もしも、上記パンフレットが、たとえばこのような夫婦を念頭に置いて「よくばり」と称していて、そのよくばりを応援するために各種情報を取りまとめてくれていたとしたらそこまで炎上しないような気がします。
しかし、ここに出てくる「パパ」は育児の当事者ではないようです。
-------
「私ばっかり家事と育児をしている」というけど、こっちだって仕事で疲れてるんだよね。夜泣きがうるさくても我慢してるし、多少は手伝っているんだから、勘弁してほしいな…」
-------
多少「手伝って」いればOK、趣味的育児の範疇を超えるつもりはないというか、そういう役割だと思っているのですね。夫婦の合意によりそのような役割分担だったらそれでいいんですけど。
妻の側がたとえば我が家のような「1.5人分」を希望する人だったら、このパパさんとは非常に摩擦が大きいわけで、このセリフは「地雷の塊」(!!)
これに対してこのパンフレットのアドバイスは
-------
「お願いは時間を区切って具体的に」「手伝ってもらったことにダメ出しはしない」がわが家のルール。ちょっと大げさに感謝すると、パパもやる気を出してくれます。
-------
なんか「子供扱い」(笑)みたいですが、要するにパパが育児の当事者ではないとすれば整合します。同僚、上司、祖父母などと並ぶ、他者(協力者)ですね。
つまり、このパンフレットは、「夫は仕事、妻が育児家事」を基本の役割として、そこから妻が「仕事も」と「よくばって」いくというスタンスで作られていると思えば何も問題はありません。四半世紀前(私が子どもを産んだころ)であれば炎上しなかったような気もしますが、今や「炎上」するようになったんですねぇ。と、ちょっと感慨にふけったのでありました。
…まだ書きたいことがあるのですが、長くなったのでまたこんど。
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「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
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広島県が、「働く女性応援ハンドブック」というパンフレットを作成しました。
内容は、非常に充実した内容を見やすくまとめていて、よくできていると思います。
働くこと、子育てすることに関する、法律や制度、お役立ち情報から、困ったときの相談窓口まで。
全国誰でも閲覧できるようPDFで公開されていますが、窓口など広島県ローカルな情報もありますので、こういった資料は各都道府県でもほしいところですね。もうあるのかもしれないけど(最近のことは知らない)。
で、このパンフレットが「炎上」したということなのですが、それはどういうことかというと、
「働く女性応援『よくばり』ハンドブック」
この四文字が曲者でしたね。
そんなことで炎上するのはおかしい、という意見もあるようですが…本人があれもこれも欲張りたい、という表現はおかしくないとしても、他人から「欲張りだ」と言われたらカチンと来るでしょう。「宝くじ買ったので、一億円当たらないと嫌だ」といったらまぁ欲張りと言われてもしょうがないですが(笑) 仕事と暮らし(子育て)両方するのってふつうのことですから。というか、ふつうのことにしようとしているハンドブックなんですよね? 意図としては。
つまり、編集上、ここにあえて「よくばり」とつけて得することは何もないし、「よくばり」をつけたことによる反発が予想できなかったとしたら、そりゃずいぶん頭がお花畑です。
もっとも、ここで「よくばり」をつけなきゃそれで済むことだったのかというと、それはもうちょっとだいぶ複雑な問題です。
男性が、仕事をして、子どももいるという場合でも、それだけで「よくばり」と表現されることはありません。それはなぜかといえば、確かに子どもはいて、休日には子どもと遊んだり、家事を「手伝ったり」しているかもしれませんが、でもそれだけでいいのであれば、独身男性の「趣味」の範疇とあまり変わらない負担で済み、「一人前」に仕事をすることがさほど無理なくできるからです。「一人分」の人生といってもいい。無理してない、欲張ってないんです。
私の夫、よしぞうの場合はそれと違いました。子どもに対して親であるということに関しては、私とまったく同等であるという考えで、子育てを半分する権利も責任もあると思っていたからです。そうするとどうなるかというと、「出産」こそしないものの、その前後で必要となるサポートのために結局会社を休みますし、赤ん坊が保育園に預けられるようになるまでは育休を取りますし、保育園のお迎えのために早く会社を出たり、子どもの病気で会社を休んだり、転勤を断ったり、出張を調整したりするわけです。
仕事と子育てを両方するために、両方をいろいろ調整して、やりくりしていたのです。これって、「よくばり」じゃないですか?
子育てについては、私も同じくらいやっていたので、0.5人分としましょうか。そうすると、「1人分」の仕事と「0.5人分」の育児をすると「1.5人分」となり、ちょっと欲張った感じになっています。それによって生じる無理を、関係各方面の協力に頼って、マネージするわけです。
私もまったくこれと同じ状況だったといえます。1.5人分。
もしも、上記パンフレットが、たとえばこのような夫婦を念頭に置いて「よくばり」と称していて、そのよくばりを応援するために各種情報を取りまとめてくれていたとしたらそこまで炎上しないような気がします。
しかし、ここに出てくる「パパ」は育児の当事者ではないようです。
-------
「私ばっかり家事と育児をしている」というけど、こっちだって仕事で疲れてるんだよね。夜泣きがうるさくても我慢してるし、多少は手伝っているんだから、勘弁してほしいな…」
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多少「手伝って」いればOK、趣味的育児の範疇を超えるつもりはないというか、そういう役割だと思っているのですね。夫婦の合意によりそのような役割分担だったらそれでいいんですけど。
妻の側がたとえば我が家のような「1.5人分」を希望する人だったら、このパパさんとは非常に摩擦が大きいわけで、このセリフは「地雷の塊」(!!)
これに対してこのパンフレットのアドバイスは
-------
「お願いは時間を区切って具体的に」「手伝ってもらったことにダメ出しはしない」がわが家のルール。ちょっと大げさに感謝すると、パパもやる気を出してくれます。
-------
なんか「子供扱い」(笑)みたいですが、要するにパパが育児の当事者ではないとすれば整合します。同僚、上司、祖父母などと並ぶ、他者(協力者)ですね。
つまり、このパンフレットは、「夫は仕事、妻が育児家事」を基本の役割として、そこから妻が「仕事も」と「よくばって」いくというスタンスで作られていると思えば何も問題はありません。四半世紀前(私が子どもを産んだころ)であれば炎上しなかったような気もしますが、今や「炎上」するようになったんですねぇ。と、ちょっと感慨にふけったのでありました。
…まだ書きたいことがあるのですが、長くなったのでまたこんど。
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