昨日の記事「「よくばり」な人生を送ってきました。」の続きです。
←ここまで会社やめなかったのは奇跡だな…
フルタイムの仕事と(1)、育児は夫婦で半分ずつ(0.5)として、1.5人分「よくばり」というふうに書きましたが、これには嘘があるというか、雑な数え方でした。
物理的な制約があるわけで、欲張るにしても1.5人分はたいがい無理ですから、いろんなからくりがあるのです。
まず、育児は、夫婦で分担するだけでなく保育園にもお世話になるので、私(0.4)、夫(0.4)、保育園(0.4)ってとこでしょうか。足して「1」でなく、「1.2」になっているのは、分担することで重複が生じるというか、たとえば連絡調整や場所の往復のために余分な労力が必要になるとか、夫婦二人が同時にいることがあったり、さらには夫婦二人で保育園行事に参加したりするわけで、「1」では済まないからです。これを非効率とみるか「ゆとり」「豊かさ」と見るかは価値観の問題ですが。
そして仕事のほうも、いちおうフルタイムというていで働いてはいても、昨日も書きましたように
「(夫の場合)「出産」こそしないものの、その前後で必要となるサポートのために結局会社を休みますし、赤ん坊が保育園に預けられるようになるまでは育休を取りますし、保育園のお迎えのために早く会社を出たり、子どもの病気で会社を休んだり、転勤を断ったり、出張を調整したり」
という状況で、家に専業主婦を抱えて大黒柱しているお父さんほどフリーで働けるわけではない。
まぁ、0.8くらいとしましょうか、仮に。(もちろん、人によって、状況によって異なると思いますが)
そうすると、0.8+0.4=1.2人分です。フルタイム共働きで子どもが小さい間はそれは大変です。ちょっと無理をしてなんとか回している。
会社のほうからすると、0.8の人材って、使いにくいと思います。マネージメント側からいえば、かなり面倒。
つまり、「1」を前提に配置されている人が、実際に会社にコミットする度合いが「0.8」だったら、そりゃ面倒というよりただの迷惑ですね。
…でも、じゃ、それって前提が間違ってるんじゃないの?? 元から「0.8」であることを前提に配置してくれたらよくない??
それにそもそも、ほんとは「1.2人分」というほどよくばりたかったわけじゃないんですよ。育児0.4、仕事0.6で働けたらそのほうが嬉しいんですけど。
でも、世の中そうなっていない。0.6の仕事とか、0.8の仕事とかで、内容・種類・質を変えずに働けて、0.6、0.8の報酬がもらえるようにはなっていない。
…なぜでしょう??
たぶんここから先の話は、仕事の性質にとても依存するので省略しますが、実際にそのような調整が難しいという面と、社会的にそういう発想がない・習慣がないという面の両方があると思います。
ともかく、多くの場合、0.6や0.8で仕事をしようとすると、仕事の内容や種類も変わり、ものすごく質も低下して、めちゃくちゃ安い金額になります。
つまり、夫婦で育児も仕事もシェアしたい、よくばらない範囲で抑えたいとなると、ワープアになりかねません(^^;; さらに、いったんそうしてしまうと、子育てにあまり手がかからなくなったあとも、回復しにくいことが多いのです。
そういうことを総合的に考えると、夫婦どちらかの仕事の「1」に傷をつけないことをまず重視して…仕事に支障ない範囲でしか育児協力しないというような…そしてもう一人は、自分で家事育児を主として担える範囲で仕事をする。実際、多くの夫婦がそのような選択をしていると思いますし、広島県のパンフレットはそのような「実態」を想定したものでしょう。
その形態を望んだわけではなくても、そこへ否応なしに収斂させられる。
そこに不満があれば、夫婦間の軋轢も増えます。また、一方は金銭的な報酬が多く得られ、もう一方はあまり得られないという差が生じます。経済面については、夫婦がうまくいっている間は問題ないのですが、うまくいかなくなったときに、行動の起こしやすさや交渉力の差となってしまったり、あるいは別れたあとに、一方的に養育費を打ち切られて困ったりするわけです。
たくさんの夫婦が、自分たちが望むのとは違うワーク・ライフバランスを選ばされている。その「無理」は、子どもへの負担となったり、健康問題になったり、育児ノイローゼになったり、夫婦の不和になったりいろんな形での歪を生む場合があります。広島県のパンフレットはその問題に踏み込まない、のみならず、追認するような編集をしてしまいました。もちろん炎上させるつもりなど毛頭なく、本気で「働く女性を応援」するつもりで地雷を踏む。なんだか残念です。想像力かリサーチ力があれば踏まずに済んだのに。
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フルタイムの仕事と(1)、育児は夫婦で半分ずつ(0.5)として、1.5人分「よくばり」というふうに書きましたが、これには嘘があるというか、雑な数え方でした。
物理的な制約があるわけで、欲張るにしても1.5人分はたいがい無理ですから、いろんなからくりがあるのです。
まず、育児は、夫婦で分担するだけでなく保育園にもお世話になるので、私(0.4)、夫(0.4)、保育園(0.4)ってとこでしょうか。足して「1」でなく、「1.2」になっているのは、分担することで重複が生じるというか、たとえば連絡調整や場所の往復のために余分な労力が必要になるとか、夫婦二人が同時にいることがあったり、さらには夫婦二人で保育園行事に参加したりするわけで、「1」では済まないからです。これを非効率とみるか「ゆとり」「豊かさ」と見るかは価値観の問題ですが。
そして仕事のほうも、いちおうフルタイムというていで働いてはいても、昨日も書きましたように
「(夫の場合)「出産」こそしないものの、その前後で必要となるサポートのために結局会社を休みますし、赤ん坊が保育園に預けられるようになるまでは育休を取りますし、保育園のお迎えのために早く会社を出たり、子どもの病気で会社を休んだり、転勤を断ったり、出張を調整したり」
という状況で、家に専業主婦を抱えて大黒柱しているお父さんほどフリーで働けるわけではない。
まぁ、0.8くらいとしましょうか、仮に。(もちろん、人によって、状況によって異なると思いますが)
そうすると、0.8+0.4=1.2人分です。フルタイム共働きで子どもが小さい間はそれは大変です。ちょっと無理をしてなんとか回している。
会社のほうからすると、0.8の人材って、使いにくいと思います。マネージメント側からいえば、かなり面倒。
つまり、「1」を前提に配置されている人が、実際に会社にコミットする度合いが「0.8」だったら、そりゃ面倒というよりただの迷惑ですね。
…でも、じゃ、それって前提が間違ってるんじゃないの?? 元から「0.8」であることを前提に配置してくれたらよくない??
それにそもそも、ほんとは「1.2人分」というほどよくばりたかったわけじゃないんですよ。育児0.4、仕事0.6で働けたらそのほうが嬉しいんですけど。
でも、世の中そうなっていない。0.6の仕事とか、0.8の仕事とかで、内容・種類・質を変えずに働けて、0.6、0.8の報酬がもらえるようにはなっていない。
…なぜでしょう??
たぶんここから先の話は、仕事の性質にとても依存するので省略しますが、実際にそのような調整が難しいという面と、社会的にそういう発想がない・習慣がないという面の両方があると思います。
ともかく、多くの場合、0.6や0.8で仕事をしようとすると、仕事の内容や種類も変わり、ものすごく質も低下して、めちゃくちゃ安い金額になります。
つまり、夫婦で育児も仕事もシェアしたい、よくばらない範囲で抑えたいとなると、ワープアになりかねません(^^;; さらに、いったんそうしてしまうと、子育てにあまり手がかからなくなったあとも、回復しにくいことが多いのです。
そういうことを総合的に考えると、夫婦どちらかの仕事の「1」に傷をつけないことをまず重視して…仕事に支障ない範囲でしか育児協力しないというような…そしてもう一人は、自分で家事育児を主として担える範囲で仕事をする。実際、多くの夫婦がそのような選択をしていると思いますし、広島県のパンフレットはそのような「実態」を想定したものでしょう。
その形態を望んだわけではなくても、そこへ否応なしに収斂させられる。
そこに不満があれば、夫婦間の軋轢も増えます。また、一方は金銭的な報酬が多く得られ、もう一方はあまり得られないという差が生じます。経済面については、夫婦がうまくいっている間は問題ないのですが、うまくいかなくなったときに、行動の起こしやすさや交渉力の差となってしまったり、あるいは別れたあとに、一方的に養育費を打ち切られて困ったりするわけです。
たくさんの夫婦が、自分たちが望むのとは違うワーク・ライフバランスを選ばされている。その「無理」は、子どもへの負担となったり、健康問題になったり、育児ノイローゼになったり、夫婦の不和になったりいろんな形での歪を生む場合があります。広島県のパンフレットはその問題に踏み込まない、のみならず、追認するような編集をしてしまいました。もちろん炎上させるつもりなど毛頭なく、本気で「働く女性を応援」するつもりで地雷を踏む。なんだか残念です。想像力かリサーチ力があれば踏まずに済んだのに。
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