カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

作品その98・大事な人

2018-12-12 21:04:40 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『貝の化石』と『三つ首獣の牙』を材料に『恋人の為の羽根馬』を錬成しました。用途は観賞用です。

 ちなみに師匠は自分が居なくなった後の僕の将来に関しては大して悲観していないようだった。師匠が時に糞爺ぃと呼んでいたパトロンも大概な性格の人だったようだが、自分のような偏屈でも友達がいれば何とかなるから大事にしろと事あるごとに師匠に言い聞かせてきて、塩相はそれが真実であると何度も思うことがあったそうだ。

 ところで、師匠が考える僕の友達とやらは妹弟子と根切り屋の事だろうか。
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骨董品に関する物語・ベツレヘムの星・その2

2018-12-12 20:36:15 | 突発お題

 昔、神を信じない男が聖地に赴き、僧院で刻まれたという星を土産に買って帰ったが、相変わらず神の存在を信じられなかった。男はそれから何度も聖地に赴き、神を信じられないまま星を買い続けた。やがて男が死に、その家を訪れた人は壁一面に貼られた星の数に男の深い信心を感じた。
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骨董品に関する物語・光透過式の天文図版・その2

2018-12-12 20:31:31 | 突発お題

 枕も上がらぬ病人の分際で星が見たいと言った爺さんに光透過式の天文図版を作ってやったら、偽物の星なら散々見てきたとぬかしやがった。それは輝くシャンデリアの下、華やかな衣装と宝石で着飾り葡萄酒の杯を傾ける女たちの姿で、淫猥で蠱惑的でお前の作った星のように清らかではないと続く。
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