カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

最終話・そして、錬金術師見習いは

2018-12-14 19:56:08 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『河原の石』と『雑草』を材料に『大地の幽霊の素』を錬成しました。用途は滋養強壮です。

 師匠が姿を消して随分と長い彩月が流れたが、僕は今も錬金術師として暮らしている。妹弟子はいつの間にか僕の弟子を名乗り、根切り屋は相変わらず商談がてら菓子を貪っては絡繰り犬に追い回され、僕も時折アカデミーの要請を受けて色々な厄介ごとを片付けている。

 確実に言えるのは、かつての師匠がそうだったように、今度は僕が誰かを導く番なのだ。



見習い錬金術師の作品。・終
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骨董品に関する物語・真珠貝のオペラグラス

2018-12-14 19:43:11 | 突発お題

 母から貰ったオペラグラスを使うと、何故か必ず触れられそうなほど近くに男性らしき気配を感じる事に気付いた。視線を向けると消え失せる気配は不思議に心地よく、いつしか私は彼と一緒に観劇することに慣れた。ある日、母に彼の事を死んだ父ではないかと問うと、実は、あのオペラグラスを贈られた昔の恋人なのよと笑われた。
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