今、東京はオリンピックが開かれ、コロナが蔓延している。
その今にピッタリの小説。
でも、この本は、コロナが蔓延する前に、だからオリンピックが1年延期になる前に書かれた小説。
だから、販売する前に、急遽オリンピックが1年延期になり、コロナが蔓延している状態をちょっと書き加えての出版になったそうだ。
でも、そんな事、何の違和感なく読み進めた。
そして、丁度テレビが故障して、修理を頼んだが混んでいてほぼ1週間かかるという事で、一気に読んでしまった。
いつもは、家にいれば見なくてもテレビは点けっぱなしで、海外ドラマのビデオを見たりしていた。
でも、見たい番組があれば別の部屋にあるテレビをつけて、見たい番組だけ見る。テレビってそんなに必要ないのかも、と思った。
そして、この本では、オリンピックが開かれる東京を、テロリストがテロを起こして陸の孤島にしょうとする。
東京は、日本全国から膨大な物資が運び込まれている。
食料品や日用品や諸々の物資のほとんどを、長距離トラックが運び込んでいる。
その血管のように張り巡らされている道路が、あちこちで寸断されたらどうなるのか。
主人公は、そんな長距離トラックの運転手。その弟はオリンピックを滞りなく開催するための警備を担当する警察官。
食料が東京に入って来なかったら、どうなるのか。
テロで、東京への道路が土砂崩れで通れなくなり、トンネル内で大型トラックが燃え上がったり、青酸ガステロが起きたり、貨物列車用の線路が破壊されたり、犯人は諸々の事故を起こした。
あっという間にスーパーやコンビニから食べ物や全てが消えてしまう。
東京は、大地震に備えて、備蓄をと言われているが、ほとんどの人達が買い占めに走る。
それだけではない。
東京に入れないという事は、出る事も出来ない。
ゴミも回収されないから、溜まり続ける。
追い打ちをかけるように巨大台風が東京を襲い、それに伴うゴミが大量に出るが、それらを運び出す地下トンネルもテロで通行不能になったり。
たった1日か2日、東京へ向かう道路があちこちで不能になり物流が崩壊するだけで、食べるものが無くなり、ゴミは溢れ、東京は陸の孤島になってしまう。
オリンピックの開会式が目の前に迫り、選手村への食糧の運搬はどうするのか。ドローンを使う事も検討された。
熱海の大規模な盛土崩壊を思わせる出来事もあって、いつ書かれたのかなと見ると2018年との事。
ありえるかも知れない近未来の小説が、今をリアルタイムで書かれているように思われる。
あのマンガの「アキラ」でも、2020年に東京オリンピックが開かれることになっていた。
いろいろな小説を、たくさん読んでいるが、想像の事象がその後に現実に起こりビックリする事がある。
でも、どんなアクシデントがあっても、最終的にそれを切り抜けて行くのは、現場の人達の頑張りなのだと思う。
東京オリンピックも終わってしまうが、大変な災厄の中の大会を、無事に閉会式までたどり着けたことは、やっぱり、現場で汗を流した沢山の名もなき人達の頑張りがあったからだと思う。
国を支えているのは、トップで命令するだけの人ではなく、そういう地に足を付けた普通の人達一人一人なんだと思う。
この本を読んでつくづくそう思った。
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