ふみさんの日々雑感

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浦沢直樹の「漫勉neo」

2021-06-17 21:17:43 | 映画・ドラマ・小説・マンガ

テレビのこの番組が好きで録画に撮って見ている。

過去、何人もの漫画家さんにインタビューしているが、どの漫画家さんも、当たり前だが特徴があって面白い。

ネームを作り、下書きしてペン入れをする。

だんだんとマンガが出来上がっていくのが、わたしには魔法のように思われる。

一人の漫画家さんに3日間、仕事部屋の邪魔にならない場所にカメラ4台を設置して、その仕事を録画する。

その映像を見ながら、浦沢さんと漫画家さんが絵の描き方や漫画について諸々の事を話し合う。

今は、パソコンだけで漫画を描く人もいて、その作画が面白かった。それこそ、絵を切ったり貼ったり、簡単に消す事も出来るし、過去の漫画に使ったシーンを素材として保存していて、そこから持って来たり・・・今の時代だなと思った。

その人は、紙に書くよりも時間がかかると笑っていた。簡単に修正が出来るので、ついいろいろやり過ぎるのだという。

また、ある女性の漫画家さんは、朝から夕方まで漫画を描く作業をし、徹夜はしないという。

なぜかというと、ずっと立ちっぱなしでマンガを描くので、徹夜は無理だと。確かに無理と思うが、いつの間にか立って書く方が楽になったのだという。

黒や青やピンクの鉛筆で何本もの線が入った下書きに、この線をと選んでペンを入れ始めると、だんだんと絵が立ち上がって来る。

瞳に精気が宿り、髪の毛の一本一本が心の揺らぎを表し、その唇で強い意志を叫び、指の先に服のしわにまで力強い生命を吹き込む漫画家さんは、凄いなと思う。

そして、特に印象に残ったのは、安彦良和氏。

彼は、ネームも下書きもしない。

真っ白の紙の前で、しばし考え、おもむろに定規を当て縦に横にコマ割りから入る。

書くものは筆。彼は、ずっと昔から筆でマンガを書いていたという。

あのガンダムのメカもペンでは無く筆で書いたのだという。

筆だと、ベタを直ぐに塗れるし、太くも細くも持ち替えないで書けるから、と。

そして、そのコマの中に鉛筆でまず下書きを書く。

どの線を生かすの?というほど、何本も下書きの線が入る漫画家さんがいるが、彼は下書きがもう出来上がりのように、絵を書いて行く。

その書き方も、突然のように眉毛を、目を、鼻を、口を、顔の輪郭と髪を書いて行く。

目線が入ると、肩の線や手の位置、足の場所が決まるのだという。

顔を書いて、突然、白紙の上の方に指を書いて行く。あるいは、腰のあたりに、眉、目が書かれて行く。

紙の上に登場人物たちの場所の下書きを書かなくても、頭の中にすべたの設計図が書かれていて、それが白紙の紙の上に表れているから、迷いも無く線を引いて行けるのだろう。

本当に、私には魔法のように思う。

漫画家さんは、絵も物語も登場人物の生まれ育った背景も、主人公に関わる全ての事象が矛盾なく最終回へ向けて進められて行く事を、一人でこなしている・・・。

そして、私達の心を揺さぶる作品を作り上げて下さって、感謝している。

今日も、大きな書店のコーチャンフォーで、ブラブラと一棚一棚、平台の平積みされた本を眺め歩いていた。

昔は、マンガ本にはビニールがかかっていなかったので、中をパラパラ見て、気に入れば買っていた。

今は、表紙の絵を見ても、作者の名前を見ても題名でどんな物語か分からない、でも気になる本もある。

そんな時には、店員さんにビニールを取ってもらって中をちょっと読んで見る。

気に入ると取り敢えず1巻を買って読んで見る。

次を読みたいと思えると、買いに行く。

そんな本に出合った。

「北北西に曇と往け」。

続きを買いに行こう。

 


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