天気予報では、午後から雨だったり、たいした事ないだったりと、でも、雨の用意をして出かけた。
いつものように、京都から京都線に乗り、一緒に乗った御夫婦と一緒のボックス席で東京の話しに盛り上がる。
彼らは初めてガンバに来たとの事。
「茨木の駅に食事をする所あります?」と、聞いて来た。
「ありますよ。でも、ガンバは美味しいお店が一杯出てますよ。スタジアムの方がいいと思いますよ」
「でも、30分くらい時間をつぶさないと」
「?」
よく聞いてみたら、キックオフまでの時間がまだまだあるから、バスは動いていないと思ったそうだ。
そこで、初めて知った。味スタへ向かうバスは、キックオフの2時間前から動きだすと言う事を。
三鷹に住んでいる彼らは、もっと早くにスタジアムに入りたいのだが、電車だと時間がかかるそうだ。
何処のスタジアムもそうだと思っていたらしい。いつも電車で味スタに行くので、それは知らなかった。地方に行っても早くからシャトルバスが動いているので、そんなものと思っていた。
バスを降りて、たくさんのサポーター達がウロウロしている様子に感激している彼らと別れて、待機列に向かう。
並んでいたら、立派な雑誌が配られた。
「JSOCCER」
表紙は甲府の41番が両手を揚げて喜ぶ写真。河野くんや武藤くんの写真も。後を見たら、何と、定価926円! ビックリ。そんなに厚くないのに高い。
パラパラとめくると、お! 朝日くん、代表の写真も、笑顔の武藤くんやモリゲ。見開きに武藤くんの写真、次のページに河野くんの記事。
どれどれ、と読もうとして、そこで初めて気が付いた。文字が英語!!。
「キャー、英語で書いてある。読めない」 と傍の親子と笑ってしまった。
武藤くんのページに 「Young Guns of F.C.Tokyo」
席はメイン寄りの一番上に決めた。そこなら、あんまり混んでいないし、いっぱい雨が降って来たら傘をさしてても(本当はダメだが)邪魔にならない。
外に出て、フワトロのタコ焼きとメンチカツを食べて、席に着いたら雨が降って来たので、ポンチョを着る。雨が降っても、雨宿りをする場所が何処にも無い。だから、ほとんどの人がしょうがないので席でジッとキックオフを待っていた。
向こうのガンバは旗を振り楽しそうに応援歌を歌っている。それを何となく見ていた。
と、外の方から、東京の応援歌が…。
私は上なので、見下ろしたら、いつものゴール裏の人達が集まって旗を振り太鼓をたたいて、いつもの応援歌を歌ったり、新しいチャントを歌ったり盛り上がっていた。
また、行進をするのだろう。でも、何か、ちょっと違和感を感じた。昔はよくやっていた事だけど、新しい人達が増えて、そんな文化を知らない人も多いと思う。それに、雨の中でジッとガンバの応援の盛り上がりを見ていて、遠くに聞こえる東京の応援の声は、ピッチでウォーミングアップをしている選手にどう届くのだろう。
それに、選手紹介の時の、ウチの選手の紹介の時に、関係なく外で騒いでいる彼らに、私は白けた。
どうせなら、中で、ピッチでのウォーミングアップの選手に向かって、スタンドの皆でチャントを歌って盛り上げた方がいいのに、と思った。
だからなのか、雨のせいもあるのか、試合が始まっても、中心の彼らだけが盛り上がっているように見え、私の周りのメイン側は、チャントに合わせて手を揚げたり手を叩いたりとか無く、歌声も聞こえなかった。時々、私は声を出すが、聞こえる範囲の人の声が聞こえないので、私も歌うのを止めた。
いつもは屋根のある味スタでの観戦なので、雨は苦にならなかったが、さすがに万博のゴール裏での雨は、思った以上の降りだったので、ちょっと堪えた。
1失点は、ウチの選手の悪い癖が出たと思った。ゴール裏も一斉に 「出た、出た」 と言い、選手も審判が笛を吹くと思ったのだろう。でも、たとえボールがラインを割って出ても、審判がインだと思えばインだし、アウトと思えばアウトなのだ。審判の笛が鳴るまでは試合に集中しなければならない。それで、今まで何回も失点したではないか。学習してよと思った。
2失点目のプレーはよく分からなかった。
向こうの方だし、雨も降っているし、遠いのもあるが、どうも、新しいユニフォームは私には選手の区別が付きにくい。今までは、どんなに遠くても、ハッキリと誰、誰と分かった。
でも、私にはシマシマが強すぎて、そのシマシマが目立ち過ぎて、皆一緒に見える。もう少し、メガネの度を強くした方がいいのだろうか。
ボールがダイレクトで大きく何回もパスが通った時があった。ガンバがどうしょうもないな、みたいに追わなかったりして。
そして、ゴール裏から「セクシートーキョー、セクシートーキョー」 の声。
えっ、違うでしょ。ただ、横横と回しているだけでしょ。ちっともセクシーじゃないでしょ、と思ったら、すかさず、「シュート打て、シュート打て」 コール。これには、みんなが笑った。
そのうちに、ポンチョが沁みて来て、あ~あ、新しいのを買った方がいいかな、と何となく気持ちが落ち込み始めた時に、目の前でヨッチのゴール!!
今まで、無口でジッと見つめていた私の周り中の人達が誰かれなくバンザイしてハイタッチ。私も。傘を放り投げそうになりながらハイタッチ。
そして、豪快な2点目。泣きそうになった。まるで、勝ったような気分になって。ビチョビチョで寒かったのがウソのように、熱くなった。
この興奮と幸せな気持ちはスタジアムでなければ、絶対に味わえない。よっち、ありがとう。
帰り、バスに並んでいた時、隣の東京マフラーの女性に
「良かったわね、負けないで」
「本当に、感動しました」 とコテコテ大阪弁。
「あれ、大阪の人?」
「そうなんです。私、東京のファンになったんです」
「えっ、いつから?」
「森重さんの代表の姿を見てから。埼玉スタジアムにも代表の試合に森重さんを応援に行ったんですよ」
「あら、そうなの。ありがとう。」
それで、盛り上がり、持って来てもう読んだ、エルゴラをあげた。
「わー、嬉しいです。私の住んでいる所には売って無いです」
喜ばれて、つい、バックに付けていたドロンパのカンバッチもあげた。
ずっと、以前にセレッソの試合に行った時にも、待機列に並んでいる時に大阪の女性で東京ファンの女の子と話した事があった。地方に行って、東京のファンですと言われると嬉しい。
今年は、武藤くんのファンが増えてスタジアムも盛り上がったらいいな。
番外:食べ物屋さんで並んでいる時に、NHKのスポーツアナの松尾さんがサポーターのインタビューをしていた。見てると、ガンバの若い女性ばっかりに声をかけていて笑ってしまった。
ふわっとしてトロっとして美味しいたこ焼き