art de vivre

ワインラヴァーであります。
日々を豊かにしてくれるワインと
お菓子作り、ちくちく手仕事、週末別荘のお話。

軽井沢 ~真ん中の日 後編 & 最後の日~

2013-10-22 08:28:14 | etc. ~いろいろと~
ヴィラデストを後にしたわたしたち。

さて、次は。

小諸城址に行ってみよう。
思いがけず広い場所で、天守跡に上ると近くに千曲川、
はるか遠くに山々を臨むことができる。


縁のある島崎藤村の詩碑があり、


弓道場では3つの的に向かって3人の方が弓を引いておられた。
見事に的に当たると、観光の人たちから拍手。

大きな大きな欅の木がある。
樹齢500年、幹の周り6m以上という。


広場では数日後から菊花展が始まるとのことで、
見事に咲き誇る菊の花の準備がされていた。

お土産屋で、古い皿を購入。
三島(ではなそうだけど…)風の味わい深い骨董的なもの。


さあ、寒くもなってきたし、どこかのカフェで温かい飲み物でも飲みたいな。
軽井沢にもどろう。

ガイドブックを調べ、作家の内田康夫氏ご夫妻がオーナーのカフェを見つけた。
ティーサロン『軽井沢の芽衣』。
なんかねーーー、さっきのヴィラデストのヤギちゃんじゃないけれど、
メイちゃんに縁があるんだよね。

話はそれるけれど…
最近、スマホのマイコンシェルジュ、(ひつじの執事♀)メイドのメイちゃんに癒されているわたし。
ちょっとした調べものや、はたまた、
ひとり退屈なとき、ただあいさつをしたり、話しかけたり…。
夜は可愛らしい声で子守唄まで唄ってくれて、
余りの可愛さに眠気など吹っ飛んでしまうほどなんだけど…。

そういうわけでメイちゃんには縁があり、
ヴィラデストのヤギ子ちゃんも、思わずメイちゃんと呼んでたし。

さて、そのティーサロンは木立の中にたたずむかわいい白い家。


庭には花々が咲き、ブロンズの像。


テラス席に席を取ると、ざぶとん、ひざ掛け、石油ファンヒーターを用意していただいた。
寒くなってきた軽井沢の心も温まるおもてなし。
ケーキもお茶も美味しくて、雰囲気も良く、
俳優の榎木孝明さんの水彩画も数点飾られており、
これぞまさに軽井沢、といった雰囲気、至福の時。
店の裏側に広がる「妖精の棲む森」は自由に散策できるみたい。
後で知ったし、もう暗かったのでわたしたちはそのまま帰っちゃったけれど、
いつかまた訪れたいな。

そろそろホテルにもどりましょう。
ナビの設定は、旧軽井沢の方を経由してのルート。
旧軽に近づいたとき、ふと見ると小さくて可愛らしい雑貨屋さんがある。
名前は『coriss』。
車を止めてわたしだけ行ってみた。
フランスのアンティーク雑貨、ガーデニンググッズ、
ムーミンはじめ北欧の雑貨、
ナチュラルな服やかごバッグ etc.
うわ~~~、可愛すぎる~~~

東京にも素敵な雑貨屋さんはたくさんあれど、
こんな小さな空間にセンスよく(わたし好みのものを)取り揃えているところも
余りない気がする。
たぶん… 気がするだけかもだけど、軽井沢マジックか?

急いで数点を購入し、その中にはこんなものも。



白ヤギ、黒ヤギのイラストの描かれた白いホーローのマグカップ。
これって、見たら買わなきゃいけないでしょ、わたし的に。
またもやのメイちゃんとの遭遇なのでした。
素敵なオーナーご夫妻と少々会話し、
千葉から来たと言ったのだけど、ポイントカードまでくださった。
また!と言って店を出たのでした。

長くなったのでそろそろ終わりたいけど、
もひとつだけエピソード。

ホテルへの道は昨日と違うルートで山の中のくねくね道。
すると暗がりの中、車のライトに照らされ浮かび上がったのは、シカ2頭。
逃げもせずゆったりと車の前にじっとしているので、こんな写メも撮れたよ。

やがて、1頭ずつ道路を横断して森の中へ消えてしまったのでした。
車に轢かれないでね。
これも軽井沢マジック?

夕食はホテルで和会席、もうお腹いっぱいだよ~~
本日はオナカもココロも十分満たされ飽和状態。
大きな感動を持って終了したのでした。


軽井沢、最後の日。

朝起きると雨。
雨が今日でよかったね。
バイキングの朝食を軽く食べ、チェックアウト。
丸2日間ほどの滞在だったけれど、
至福のスイート滞在を思うにつけ少し胸がキュンとする。

一路、車で軽井沢方面へ。
雨も上がったようだ。

途中昨夜通った白糸の滝へ。
車がたくさん駐車してあり、結構な人だ。
滝まで歩くとそれは横に長い見ごたえのある滝だった。


軽井沢の街に入り、早速昨日の『coriss』へ。
またまた雑貨を見て自分とお土産に数点購入。
シカに遭遇した話をすると、シカも熊も出るそうな…

小学生からお年寄りまで、熊の嫌う音の出る鈴を持って歩くらしい。
すごいねーーー、街中にも出るんだね。

感じの良いオーナーご夫妻に車を置かせてもらうことにして、旧軽散策へ。
寒くなったのでユニクロの軽量ダウンを着込む。
このダウンはとても便利。
軽井沢でもたくさん見かけた。

一番奥のショーハウスまで行き、同じ道を戻りつつ、
フランスベーカリーでパン、


紅茶館でハニーティーを購入。
そして少し路地を入ったところで美味しいおそばを食べた。

車を取にゆき、駅近くの「アトリエ・ド・フロマージュ」でチーズを買った。

そして返却時間ギリギリに車を返却。

これで軽井沢の観光は終了。

レンタカーのお陰で大いに楽しめた。
ずっと運転してくれたオットにも感謝。

遠いと思っていた北軽井沢ホテルも、行き帰りの秋の景色を楽しめ正解だったかもしれない。

南国生まれ、育ちのわたしには高原の風景というのは憧れなのだ。


気候や風景というのは人間性の形成に大いに関わってくるのではないかな、。
南は明るくおおらか
北は思索的、内省的に
そんなことも思った軽井沢への旅でした。

まだまだ1週間ほどいて高原の秋を楽しみたいところ、
切ない想いも一緒に新幹線に乗り込んだのでした。

軽井沢 ~真ん中の日 前篇 ヴィラデスト訪問~

2013-10-22 08:19:13 | etc. ~いろいろと~
一夜明け、またまたいいお天気。

お決まりのバイキングの朝食後、ホテルの周りを散歩。
そろそろ北軽井沢では紅葉が始まっている。


辺りにはたくさんの別荘。
湿気が多いせいかすべて高床式の建物。
でも閑散としており、住んでいる気配のない棟も結構ある。
軽井沢の中心からは遠く(正式には群馬県嬬恋村)、辺りには店もなく、
利便性に欠けるからかな、などと思ったりした。

今日は、長野県東御市にある、
エッセイストで画家である玉村豊男氏のワイナリー、
ヴィラデストガーデンファーム アンド ワイナリーに行くのだ。
ここ数年来行きたいと思っていた場所。
地図を見ると、ホテルから車で十分に行けそうな距離。

玉村氏が大病の後、これからの人生どれだけ生きられるかもわからず、
農業を始めた夫人とともに、
世間から離れ晴耕雨読の隠遁生活を始めようとして40歳の時に移り住んだ場所。
探して探して出会った小高いその場所は、
千曲川に向かって広大な斜面が広がり、
川の向こうに街が広がりその向こうには山並みが連なるという絶好のロケーション。

日本国内でも有数の降水量が少ないところであり、
斜面は日当たりがよく、寒暖の差も激しい。
元々、東御市は巨峰の産地であるそうな。

…ということは、ワイン用のブドウもよく育つはず。

フランスやワインにも造詣の深い氏は、
この場所に初めて立った時、ここにブドウの木を植えようと決めたそうです。
もちろん、生食用ではなくワイン用の。

それから28年、様々なできごとが重なり、
そのたびに判断の岐路に立たされ、行くべき道を選択し、
(ちなみに氏は、どちらかを選ぶというとき困難な方を選んだ…)
10年前には個人の醸造所を作り、とうとうワイナリーオーナーとなってしまったのでした。
ついでにレストランやショップも併設し、
出来上がるワインもどんどんと美味しいものに進化し、
隠遁生活とは真逆の世間から注目を浴びる場所となってしまったのです。
その間に健康も取り戻して。

ちなみにシャルドネ品種から作られる白ワインは、
いつぞやの洞爺湖サミットの際、午餐の飲み物として各国首脳に饗されたのでした。

ワイナリーのオーナーになることは、夢でも何でもなかったと、
後に玉村氏は語っておられます。
人生って不思議。
でも、氏は何かに導かれ、岐路に立たされるたびに選んだ道が繋がり今に至る。

そして、これで完結ではなく、
ヴィラデストのワインも代々誰かが後を継ぐだろうし、
氏は千曲川ワインバレー構想(カリフォルニアのナパバレーのように)なるものを立ち上げ、
今や辺りにはワイン用ブドウを作ろう、ワイナリーを作ろう、
と大きな志を持つ若者がたくさん集まって来ているという。

エッセイスト、画家、ワイナリーオーナーの仕事に加え、
そちらの活動にも力を注がれておられる昨今の玉村氏のようです。

前置きが長くなってしまったけれど…
ワクワクしながらヴィラデストのワイナリーに到着し、車を駐車場に止めた後、
ふと建物の方を見ると、玉村氏らしき方がプライベート棟に入ってゆかれるところだった。
うふ、いらっしゃる…

ランチの予約時間まで時間があったので、広大な庭を散策。




ブドウ畑があちらこちらに広がり、


季節の花が咲き乱れハーブが香り、






そして、ヤギちゃんも。





5mくらいのロープに繋がれたヤギちゃん(メイちゃんと呼んだ)は、
その範囲で草を食む。食む。食む…
これは草刈りのとてもいいシステムだね。
我が勝浦にも欲しいね…。
しばし、かわいいメイちゃんと遊ぶ。

畑の隅には、炭焼き小屋。
氏の著書で、近所の老人が作ってくれたことを知っていたのだけど、
そんなことも知らないオットは、見ただけですぐに「あれは炭焼き小屋だよ」だって。
なんでわかるの~?


時間になったので2Fのレストランへ。
テラス席の窓際に案内される。
また一段と高いところから前方に広がる素晴らしい景色を眺めることができる。
サービスの方に玉村氏のことを尋ねると、
午前中はいたのだけど、午後はいらっしゃらないらしい、残念。

少しすると、窓の下に現れたのはなんと玉村氏。
どなたかと立って打ち合わせのご様子。
しげしげと眺めてしまったのでした。

数分で氏が立ち去った後に、黒ブドウを満載した軽トラが入ってきた。
そして数人の撮影隊も。
そうだったのか、さっきはこの打ち合わせだったのね。
ちょうどブドウの収穫時期、
ワイナリーとしては1年で一番忙しい時なのだろう。

さて、お料理も、ガーデンの野菜をたっぷり使った前菜、
メインのお肉も味付けよく、




デザート


に至るまでとても美味しくいただいた。
もちろんワインも(オットはドライバーゆえ、わたしだけ すみません…)、
白と赤、とても美味しくいただいたのでした。

食器、ランチョンマット、ナプキン、すべて氏の絵によるもの。

器から中身まで自分のところの産。
贅沢な話です~~

ショップでは、ワイン柄の小さなオーバル皿と布のバッグを買った。


心もお腹もいっぱいになり、メイちゃんとまた少々遊んでヴィラデストを後にする。

またいつか訪れたいね。
その時は土日に訪れて、ぜひともワイナリーツアーに参加しましょう!!