浅草通りを渡るときに西の方を見たら、遠くに大きな建物が見えた。

元浅草付近から上野を望む
Photo 2006.8.26
昔は浅草付近から、上野のお山が見えていたんだそうな。戦後、中高層のビルやマンションが増えたため、高台の全体像が見えることは無くなってしまった。しかし浅草通りのように広い道では、今でも正面奥に上野の台地の緑がちょっとだけ見えている。浅草から上野の丘を望むと、やっぱり上野公園は台地で山の手、浅草は低地で下町なんだということが視覚的に理解できる。また浅草と上野が意外に近いんだなということも分かる。
横断歩道橋の向こう側にちょっと見えている緑が、上野台地の緑。距離はおよそ1.5km。道路の軸線上にある緑なので、上野駅や上野公園手前に張り付いている低層の店舗群が高層化しない限り、台地の緑が見えなくなることはない。そんなわけで今回も、よしよしまだちゃんと見えているなと思ったわけなのだが、緑の後方に超高層マンションが建ったというのは予想外だった。マンションが不忍池のそばに建ったことは知っていたが、まさかそれが、浅草通りの正面に見えているとは思わなかった。
見えているマンションは、不忍池のそばの不忍通り沿いに建つルネッサンスタワー。
地下2階、地上38階、塔屋1階、軒高133.5m、最高高さ136.5m。上野の丘は駅付近では標高15m程度。丘の上に立つ樹木を考慮に入れても、50m以上の建物はどうしても見えてしまう。まあ、130m超だとどこからでも見えるんだけど。
しかしよりによって何故、この近辺で一番高い建物が通りの真正面に建ってしまったのだろう。前にも書いたが、東京では道路の延長線上に超高層ビルが建つことが多いような気がする。少しずれた所に建ってくれれば気にならなかったのに、そうはならないのが不思議。上野の森と一緒に見えるのが、区のシンボルとなるようなものだったらまだ良いのだが、単なるマンションがまるで丘の上に建ってるみたいに見えているというのががっかり。以前も書いたが、軸線上の景観コントロールをもう少し進めてほしいなぁ。
#街並み 台東区 #ヴィスタ #眺望 #高層ビル #道 #住宅系