遅ればせながらあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
正月は完全に寝正月状態。初詣にも3が日にはいかず、4日になってようやく遠州三山の一つ、油山寺にお詣り。
油山寺(ゆさんじ)を訪れたのは実に30年ぶりだ。高校生の頃、父母と共になんとなく行ってしまったので、当時の記憶はかなり曖昧。国の重要文化財指定を受けている山門と三重塔は、ときどきネットやガイド雑誌などで見たりするので、見たような記憶もあったが、他はほとんど忘れてしまっていた。
山門のそばの駐車場に車を駐め境内へ。
油山寺 山門
所在地:静岡県袋井市村松1 Google Map
建設年:1659年(万治2)掛川城の大手二之門として建立
1873年(明治6)現在地に移築
備考 :国指定重要文化財
Photo 2012.1.4(この記事内全て)
山門は掛川城にあったものが移築されたもので、白壁で鯱が付いたいかめしい姿。明治初期に城主太田備中守が眼病快癒の礼として寄進・移築したのだという。寺院には似合わないごつい姿だが、逆にこれが油山寺を印象的なものにしている。
両大師前を上る階段
三重塔と本堂(薬師本堂)のある場所まで、山門からあんなに歩くというのは全く記憶になかった。折り返しながら上る長い階段があったり、途中に「るりの滝」などというものがあったことも記憶にない。30年前に訪れた時と全く感触が異なり、ほとんど初めて来たような気分だった。
薬師本堂(左)と三重塔(右)
薬師本堂:建設年 1738年(元文3) 静岡県指定有形文化財
三重塔 :建設年 1611年(慶長16) 国指定重要文化財
辛うじて記憶していたのは、三重塔とちょっと変わった屋根の形をした薬師本堂の風景。塔より本堂が数m高い場所に建っているのもなんとなく覚えていたが、こんなに奥にあったっけ?・・・。
三重塔は高さ約23mで、朱塗り、銅葺きの姿が印象的だ。写真ではよく分からないが、3層の屋根は天竺様で垂木が放射状、1層と2層は和様で垂木も平行になっている。上層と下層で垂木の配置が異なるというのはよくあることなのだろうか。五重塔や三重塔をたくさん見て知っているわけではないので、特殊かどうか分からないが、様式が混在しているのは興味深い。
本堂は基本的には恐らく方形屋根。前面の入口部分の庇が頂部から三角形に張り出しているのが独特だ。
油山寺 薬師本堂内部
堂内には千羽鶴や絵馬、額絵などが所狭しと飾られている。お寺のお堂には、怪しい気配が濃厚なものや陰気なものがあるかと思えば、カラッとしているもの、鮮やかでど派手なものなど、いろいろあるが、ここのお堂は、日差しの関係もあってか、堂内も明るく穏やかなかんじ。
Wikipedia > 油山寺
油山寺ホームページ
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