3つの十字架の丘からヴィルニュスの街を一望し、
夜明けの門へとやってきました。
1503年から1522年にかけて建造された
リトアニア大公国の城壁の一部です。
「夜明けの門」と呼ばれるようになったのは20世紀。
街に9つあった城門のうち現存しているのはこの門だけです。
他の門はすべて18世紀末に当局の指示によって壊されました。
16世紀、攻撃から街を守り旅行者を祝福することを目的に、
宗教的なモニュメントが門の内部に作られることとなり、
門の中のチャペルには聖マリアの肖像があります。
奇跡を起こすと言われていたマリア像。
数世紀にわたってこの肖像は街のシンボルの1つ、
カトリック教徒と正教徒の双方から崇敬されてきました。
人々が治癒や幸福を願って捧げた銀細工が、
壁一面に並んでいるようです。
17世紀には、外敵から街を守り、旅人を守護するため
カルメン会の修道士が城門の上に礼拝堂を建立しました。
夜明けの門の旧市街外側のファサードには、
リトアニアの紋章である白い騎馬像を中央に、
ギリシャ神話に登場するグリフィンをモチーフとした
ルネサンス様式の装飾が施されていますが、
こちらも夜明けの門の見どころとなっています。
城門らしく防衛に使われた丸い銃眼も残っています。
リトアニア・ヴィルニュス
2016.9.21