「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        定年延長と年金支給年齢の引き上げ

2011-01-23 07:42:29 | Weblog
与謝野薫経済財政担当相が「税と社会保障」の問題に関連して定年の延長と年金支給年齢の引き上げを示唆する発言をした。発言の趣旨は”人生90年を前提にすると、定年延長は当然だし、それにつれて年金支給年齢の引き上げも考えなければならない」というもののようだ。

米国の民間人口研究所が数年前、英国の科学雑誌「ネイチユア」に発表した論文によると、日本人の平均寿命は2050年には90歳に達するという。厚生労働省の昨年度の発表でも日本人男性の平均寿命は79・59歳、女性は86・44歳である。あと40年先には人生90歳になるのも夢ではない。与謝野大臣の発言も必ずしもオーバーではない。

急速に少子高齢化が進んでいる日本の社会だ。今のままでは、早晩日本の社会保障制度が破綻をきたすのは、素人の僕でも解る。与謝野大臣の発言は当然すぎるほど当然だ、民主党政権は、今まで何をやっていたのか。出来もしないことをならべて、すべて先送りばかりしてきた。

現在国民年金の支給開始年齢は65歳。厚生年金の支給開始は段階的に引き上げられていて、2013年になると、男性は65歳になる。一方、大方の企業では、依然定年は60歳である。電通の調査によると、定年を迎えた男性の77%が、定年後も勤めていた組織の中で仕事をしたいという。今の日本では60歳といえば、まだ隠居の年齢ではない。それより年金が支給されるまでの間、空気を食べて生活するわけにはいかない。厚労省の調査では60歳前半の生活保護申請者が増えている。60歳定年と年金支給年齢引き上げと関係があるのではないだろうか。

人生さまざま、一概にはいえないが、1970年代には大手企業は55歳定年だった。それを見越して僕は50歳で仕事をやめ、第二の人生で65歳まで現役で仕事をした。与謝野大臣は72歳。人生経験も豊富である。国の将来を考えて、しっかりとした社会保障制度を確立してもらいたい。