「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         波乱だった江(ごう)の時代のアジア

2011-01-28 07:23:48 | Weblog
昨日、68年来の級友と一緒に江戸東京博物館で開催中の「江(ごう)姫たちの戦国」特別展を見てきた。NHKの大河ドラマで放送のため平日なのに館内は女性客を中心に一杯。僕はドラマを見ていないが、江の生きた安土桃山時代を改めて考える機会になり勉強になった。

江(1573年-1627)は近江の国小谷城主、淺井長政と織田信長の妹,市との間に生まれ、姉には豊臣秀吉の側室となった茶々、京極家の正室の初がいる。生まれてすぐ戦乱で両親を亡くした江は12歳で尾張国佐治一成にいだが、秀吉の命で離婚、秀吉の甥に当たる秀勝と再婚したが、死別、そのあと再度徳川家康の三男、秀忠と結婚している。まさに戦国の時代を象徴するような波乱の一生を送っている。

江の一生は安土桃山時代(1568年-1598)の30年と江戸時代の初期に当たるが、改めてこの時代を考えて見ると、日本の国にとっても激動の時代であった。とくに日本を囲むアジア情勢が流動的であった。1573年に室町幕府が倒れた後、国内の戦乱を経て秀吉は明と対峙することを理由に1592年(永禄の役)と1596年(慶長の役)と二回も朝鮮に出兵、今の中国東北部にまで兵を進めている。

一方、アジアではルソン(フィリッピン)が1571年にはスペインによって植民地され、日本にも1549年、布教のためフランシスコ・ザビエルが来日、江の時代にはすでにキリスト教大名も現れている。歴史に”れば”とか”たら”はありえないのだが、わが国の将来が別の方向を歩んだかもしれない大変な時代でもあったのだ。