「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      ”減災" 構想会議の”悲惨の中の希望"提案

2011-06-26 07:43:13 | Weblog
東日本大震災復興会議が昨日「復興への提言ー悲惨の中の希望」を菅総理へ提出した。本来は、この提案は第一次で、12月に最終提案がまとまる予定だったが、おそらく菅総理の進退問題も考慮したのであろうか、早めの最終提言となった。大震災の直後の4月、菅総理が早々と立ち上げた会議であった。僕は当初からこの種の会議に反対で、その成果に期待はしていなかったが、案の定である。

わが国のその道の大家が12回も集まって検討したのが、この"悲惨の中の希望”(副題)だが、被災地の悲惨さが改めて浮彫りにされただけで、将来の具体的な"希望”の光は見えてこない。構想会議のメンバーの中には被災地の県知事や首長も入っていたようだが、本当に、この提案が”悲惨の中の希望”と思っているのであろうか。どうせ実行力のない総理への提言だから、いい加減にしておこうという気持ちもあったにちがいない。

構想会議の提言の一つに、あまり耳慣れない「減災」という言葉があった。将来起きる大震災に対して、真っ向からこれに対処する対策より、出来るだけ、その人的、物的被害を減らすようにする対策のようだ。誰の構想だかわからないが、僕には菅総理のいう「最小不幸の社会の実現」の考え方に通ずるものを感じた。まさか菅総理に媚びたわけでもあるまい。

菅総理は自分の責任逃れのためか、大震災後の100日余、この構想会議を自分の保身の"隠れ蓑”としてきたといわれても仕方がない。構想会議の提言が出るまでは、とすべてを後回しにしてきた。70日も延長された国会である。自民党の谷垣総裁は、二次予算の成立には全面的に協力するといっている。構想会議の進言を受けた以上、これ以上言い逃れはできない。一日も早くメドをつけてお引取り願いたい。