「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

放置されている政府建立の戦没者慰霊碑

2018-04-06 05:19:18 | 2012・1・1
インドネシア西パプア州の首都マノクワリに8年半の間、台座から落ち放置されたままだった戦没者慰霊碑が復旧されたという朝日新聞(4月4日付け夕刊)の記事を友人がネットで送ってくれた。マノクワリは先の戦争中、極悪なジャングルの中の転戦命令で2万人もの日本軍将兵が命を落としている地だ。2003年、僕は有志のご協力で「南方各地慰霊碑一覧」を出版したが、これによると、マノクワリには1956年政府遺骨収集団が訪れた際、サンゲン岬に建てたが、悪環境のため移転とある。多分、移転のさい台座を据えたものだろう。マノクワリには第35師団221連隊戦友会が1990年に現地と管理契約を結んで建立しているが、現状はどうなのだろうか。

今回の慰霊碑復旧は朝日新聞の指摘により、厚労省が行ったものようだが、朝日の記事によると、1953年から56年までの3年間、太平洋各地の島々に遺骨収集に派遣、そのさい21か所に慰霊碑を建てている。僕らが編纂した慰霊碑一覧のPNG(パプア.ニューギニア)だけでも1955年2月ー3月ラブウル、、ブナ、ウエワク、アイダべなど7か所に建立した記録がある。短期間の滞在のため、日本から運んだ簡単な石碑が多いが、中には英語の碑文のスペルが間違っているのもある。

厚労省はこれら海外の慰霊碑について、民間が建立して現地での管理ができないものに対しては処理する方針のようで、数年前、知人(100歳)がカリマンタンの華人に永久管理費を支払い保存してもらっている碑が杜撰な調査で壊されかかった。慰霊碑は僻地が多く、管理が大変である。しかし、8年半の間、台座がら落ちて放置されていても平気ななのは尋常ではない。政府が建てた慰霊碑だけでも現状を調査してはどうか。
(写真左はPNG政府建立ノ碑 右はマノクワリ221戦友会建立の碑)