「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

拉致 他力本願では 南北首脳会談

2018-04-28 05:18:54 | 2012・1・1
昨日、板門店で開かれた南北(朝鮮)首脳会議の模様を朝から夕方までテレビの中継を見た。率直に言って韓国側の準備は良く、演出も見事であった。その演出の中で演じる主役の金正恩(北朝鮮労働党委員長)の一挙手一投足も、まるで五輪の開会式を見るような楽しみさえあった。会談後発表された共同宣言によれば”完全な非核化”について、その実現を共同目標にすることで一致、”終戦宣言”も年内を目標に中ソなど休戦宣言当事国を交えて開催することで合意するなど、よいことづくめだが、わが国が一縷に期待していた、拉致問題については言及はなかった。

68年前の昭和25年6月、朝鮮戦争が勃発した日を鮮明に覚えている。朝鮮半島出身の級友が”戦争が始まった”と大声で叫んだ。戦争は28年7月,休戦協定が締結されるまで3年間続いたが、当時20歳前後の若者だったにもかかわらず、全く関心がなかったが、今回の首脳会議を機会に調べたら、「南」(韓国)「北」双方100万人を超える民間人が犠牲になっているのに驚いた。その戦争が停戦したままで65年間も”戦争状態”にあるのは異常である。この異状国家”同士の首脳が歩いて軍事境界線をまたギ、握手したのだから歴史的出来事だ。

南北両首脳にとっては、今回の宣言は、同じ民族間の問題解決だけで精いっぱいだ。二人の話し合いで日本人の拉致問題が出たかどうかわからない。多分出なかったのではないか。安倍政権は拉致問題について事前に韓国や米国に解決を依頼しているようだが、あまりにも他力本願しすぎるのではないだろうか。「北」が平昌五輪後、政策転換を図ってきているのは事実である。直接話し合う機会はないのだろうか。