「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ハバロフスク ラララ ハバロフスク  ロシアの不誠実

2018-04-08 06:15:08 | 2012・1・1
厚労省のホームページにロシアから提供された資料を基に戦後捕虜として旧ソ連地区に抑留中死亡した57万5000人のうちの一部550人の新しい名簿が公表されている。昨日の新聞に、そのカタカナ書きの名前が掲載されているのを見て、戦後70余り年経っているのにいまだに、こうして小出しに犠牲者の名前を発表しているロシアの不誠実な態度に驚きを越して怒りを感じる。

発表された名簿を地域別にみると、シベリアのハバロフスクが一番多い。ハバロフスクがどこなのか僕にはピンポイント出来ないが、戦後すぐの昭和20年代、ラジオの「のど自慢」番組から”ハバロフスク ラララ ハバロフスク”で始まる「ハバロフスク小唄」を思いだす。同じシベリア抑留を扱った「異国の丘」の哀調あるメロデイとともに国民の心を打ったものだ。

半世紀以上も前のことだから若い世代の中には、シベリア抑留のあったことさえ知らない者が出てきた。「ハバロフスク小唄」を歌った僕ら世代でさえ、シベリア抑留は、はるか遠い過去のことになりかけ始めている。しかし、ロシアがこの問題で謝罪したのは1994年、死亡者の名簿を発表しはじめたのは2003年である。善意に考えれば国民性の違いである。しかし、謝罪してからでも24年の歳月が流れている。

安倍総理は、自分たちの世代で日ロ問題を解決したいといい、プーチン大統領と20回も首脳会談をしている。先年、シベリア訪問のさいは慰霊碑にも参拝している。北方領土問題とは別である。国民性の違いだけではない。抑留者死亡者発表のやり方は姑息で、誠意があるとは思えない。安倍総理は抗議すべきである。