NHKテレビの金曜夜7時半からの首都圏だけの情報番組「ネタドリ」で先日、”あなたの知らぬ間に都心のバスが減便している”という長いタイトルの番組を見た。たしかに、わが家近くの目黒通りを走る私鉄路線バスの本数が減ってきた。調べてみたら東京駅行きが9時から3時まで日中なのに1時間3本、12時台は2本しかなかった。
東京都では、石原慎太郎知事時代さと思うが、70歳以上の高齢者で住民税非課税者は、年間1000円支払えば、都内を走るバスは一切無料という”シルバーパス“制度がある。このおかげで、僕みたいな年金生活者でも、経済的負担なしに社会参加できて感謝している。しかし、いくら時間を持て余す老人でも、バスの減便は不便である。我が家の近くの私鉄駅から、僕が通院している国立医療センターまでは2路線あるが、どちらも朝の通院に便利な時間帯には1時間に1本から2本しかない。1路線に至っては初発が9時32分である。
地方の山の中の過疎の町ではない。東京の都心での話である。番組の「ネタドリ」によれば、この異常な現象は運転士不足からきているのだという。東京では他の業種に比べて勤務が厳しいという理由から希望者が不足しているのが原因だという。このため、黒字路線であってもダイヤが組めない状態なのだそうだ。
東京都心の公共交通機関は世界一だといわれている。確かにそうだと思うが、場所によってはバスを利用しなければならない地域もある。東京五輪.パラリンピックを前に都心のバス事情を再検討してもらいたいものだ。