「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”スーパー.ムーン"より、やはり”十六夜の月”

2015-09-29 06:04:52 | 2012・1・1
地球にもっとも近くづく「満月」を”スーパー.ムーン”と呼ぶそうだ。初めて聞く言葉だが、呼び名にひかれ昨夜、ベランダから中天にかかる”スーパー.ムーン”を観た。”スーパー,ムーン”は、最も小さく観える「満月」に比べて直径は1.14倍、明るさは3割ほど明るいそうだが、僕の目には、普通の「満月」とさほど変わらなかった。

昨夜は、昔流に言えば”十六夜(いざよい)”の月でもあった。”十六夜”の月とは”十五夜”の翌日の月で、中秋の「満月」より遅れ猶予(いさよう)ように、つまり”ためらう”に昇る月のことだという。既望(きぼう)ともいうそうだ。何か昔の人の月に対する想いが感じられて面白い。

実は、僕は27日が”十五夜”だった事を忘れていた。僕だけではない。おそらく、昔のようにお月見をした家庭は少ないのではないか。戦前の遠い記憶の中では、昔は東京23区内でもお月見の儀式を楽しんだ家が多かった。ご三宝の上に御団子を載せ、ススキや季節のサトイモなどを飾ってお祝いした。”うさぎ、うさぎ、なにして跳ねる 十五夜お月さんみてはねる”(小学校唱歌)の歌が懐かしい。

お月見が日本人の間ですたれてきたのは米国の月ロケットアポロ11号の月面着陸(昭和44年7月)と関係があるのだろうか。昔の子供は、月の表面の模様を観て、うさぎの餅つきを想像した。竹取物語のかぐや姫にも月へのロマンがあった。十六夜の月といった方が情感がある。”スーパー.ムーン”ではあまりにも冷たい感じがする。馬齢を重ねたせいなのだろうか。

最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見ました (chobimame)
2015-09-29 09:02:26
帰宅時にスーパームーンを見ました。
いつもより大きく見えた気がします。
何人かが足を止めて写真を撮っていました。
近所の小学校では、お月見団子が給食で出たそうです。
私の子供の頃には、ススキを飾りましたが、今はススキなんか見ませんから、そんな行事も消えてしまったかもしれません。
返信する
ススキと三宝 (kakek)
2015-09-29 10:18:38
chobimame さん
そういえば、ススキが見当たりませんね。お化けのような大きな外来種のスすきはありますが、これでは飾られませんね。三宝もありません。どこで売っているのでしょうか。すべて時代の移り変わりです。でも寂しいですね。
返信する
カタカナだらけ (lordyupa)
2015-09-29 12:07:39
ブロガーの言われる通り、昔の風情を思い出しました。
しかし、カタカナ用語があふれかえって増えるばかりです。

明治時代には、福沢諭吉をはじめ多数の先人たちが、江戸時代には無かった西洋文物の概念(用語)を、たくみに翻訳語(社会、自由などなど)として創造(造語)しました。一方で、江戸時代以来の風習(慣用語)も随分と残っていました。

敗戦後70年もたっているのに、未だに、和製英語まで産み出してまで『カタカナ崇拝』が続いているように思います。

スーパームーンよりも、「十六夜」の方がずっといいです。
例えば、
シルバー・ウィークは、和製英語のつもりでしょうが、「敬老週間」へと変更してはどうでしょうか?

政府・自治体は、せめて
公用語にはできる限り、カタカナ用語を「排除もしくは減らすように定める」法規制を国会で、立法してはどうでしょうか?
返信する
和製英語 (kakek)
2015-09-29 13:38:40
lordyupa さん
確かに、戦後この70年間に、日本の古来の伝統や慣習などが破壊されてきたと思います。昭和30年代頃までは、それでも多少残っていた正月行事、例えば元旦の日の商店の休日も最近はなくなりました。和製英語の氾濫、困りものです。しかし、コンピューターのカタカナ語は、どれが本当の英語か和製か判らず困ります。例 ノートパソコン、ブラインドタッチ、アプリ、スマートフォンなどなど。スーパームーンもこの類かと思っていたら、本物のようですね。
返信する
セイタカワダチソウとススキとの戦い (lordyupa)
2015-09-29 15:21:01
chobimameさん
敗戦後に米軍物資輸入とともに紛れ込んだと思われる外来種「セイタカアワダチ」は、繁殖しだすと他の植物を駆逐していくことである。地中深く根を張り、養分を自分だけが吸い取り、他の植物やミミズや虫たちも寄せ付けない。土地がどんどん荒れてくるため、自分自身も繁殖できないほど、土地の劣化が進むようです。

一方で、在来種のススキは成長が遅く、根を深く貼り株を少しづつ大きくして、やっと人目にわかるくらいに大きくなるまでに数年はかかるという。そしてススキが群生しだすと、土地が肥えていく。その結果、多様な植物の成長を促し、セイタカアワダチソウで荒れて枯れた土地にふたたび養分を提供し、ミミズや虫や他の植物も生育できるようなる。ミミズやモグラとも共生できるという。

最近、
河原、耕作放棄地や空き地などで、再び、ススキの挽回が全国でちらほら見られるという。いつかまた、御月見に、ススキを飾ることのできる時代がくるかもしれません。
返信する
ススキの挽回 (kakek)
2015-09-30 07:47:08
lordyupa さん
セイタカアワダチソウとススキとが仁義なき戦いをしているそうですね。その間に入ってパンパグラスが繁殖しています。外来種とか帰化植物が戦後増えているそうですね。耕作放棄地にススキが挽回してきた話は、比喩的で面白いですね。
返信する
面白い (chobimame)
2015-09-30 09:06:36
lordyupaさん
ススキにそんな戦いがあったとは、知りませんでした。
勉強になりました!
なんでもそうですが、外来種は強いですね。
日本古来の生き物も、根性出して頑張って欲しいものです。
返信する

コメントを投稿