「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              「週刊朝日」の品性」

2012-10-21 07:05:43 | Weblog
日本維新の会代表の橋下徹大阪市長の出自について「ハシシタ 奴の本性」というタイトルで連載を始めた「週刊朝日」の記事が一回で打ち切られた。同誌の編集長は「地区などに関する不適切な記述が複数あった」のが原因だそうだ。記事はノンフィクション作家の佐野真一氏と同誌の取材班の共同取材によるものだそうだが”天下の朝日新聞”発行の週刊誌の記事ではない。売らんかなの姿勢がありありで、品性下劣である。

現在、日本で発行されている週刊誌は、そのほとんどが1950年代後半に創刊されている。「週刊新潮」(1956年)「女性自身」(1958年)「週刊現代」「週刊文春」(1959年)で、それ以前は新聞社発行の「週刊朝日」「サンデー毎日」「週刊読売」「週刊サンケイ」の四誌だけだった。なぜ50年代後半に週刊誌の創刊が始まったのか。多分テレビ放送が始まり、人々の生活も安定し趣味も多様化してきたからであろう。その頃、僕は新聞社へ入社して数年の駆け出しだったが、給料が安く小遣い稼ぎに自社発行の週刊誌に署名入りで原稿を書いた。そして、時には社規に反して外部の週刊誌にも原稿を書いて飲み代を稼いだりした。今考えると忸怩たるものがある。

出版社系の週刊誌が「トップ屋」という外部の記者と契約し、自社種の記事を掲載するようになったのは60年代になってからだ。新聞社系の週刊誌では書けない記事が掲載され、刺激的な記事が多くなってきた。この結果「週刊読売」「週刊サンケイ」は”淘汰”された。それでも当時はある程度、記事の内容には節操があったような気がする。

週刊誌が今のように無節操に有名人の私生活に立ち入ったり、ゴシップを暴露したりするようになったのはここ数年である。新聞社系の週刊誌まで、面白おかしく”売らんかな”の記事を掲載するようになった。今回の事件で問題なのは外部の「トップ屋」と一緒になって記事を取材していることだ。発行元の朝日出版だけでなく親会社の朝日新聞の品性まで問われる。

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2 コメント

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下品 (chobimame)
2012-10-22 08:46:48
ちょっと前まで、女性週刊誌などや一部の男性週刊誌を除いては、かなりまともな記事が多かったように思いますが、今は総体的に品位がないゴシップ週刊誌に成り下がっています。書く方も品位に欠け、また読む方も品位がないので売れるのでしょう。しかしペンを持つプライドが無いのでしょうか?いくら経営といえどもお金になれば何でも良いといった態度は頂けません。売れないからエグい記事を書くのではなく、文書や内容で読ませる雑誌はないものでしょうか?気骨やプライドのある記者もいなくなったのでしょうか。日本人全体の品位も知的レベルも下がっているように思います。
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ゲスな心 (kakek)
2012-10-22 12:59:46
chobimame さん
長野に勤務した経験から問題については多少知識もあり敏感です。新聞社もこの問題には触れたくなかったものです。これが、今回の週刊朝日では、あえて挑戦しているみたいです。時代が変わったのか記者が鈍感になったのか。いずれにせよ、取材の裏には”売らんかな”のゲスの心がありありです。新聞社全体の問題です。
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