戦争末期の昭和19年11月、東京都旧荏原区(品川区)戸越にあった保育園園児53人が埼玉県蓮田市(現在)へ集団疎開、その生活を描いた映画「あの日のオルガン」が話題になっている。昨日、僕は東京の保育園史を研究している友人の先達で戸越町の浄土宗の古刹、行慶寺を訪れた。行慶寺は直接、映画には関係ないが、集団疎開した当時の保育園の近くにあり、現在ルンビニ幼稚園を経営されている。何か当時の参考になる資料がないかと前住職にお尋ねした、前住職は19年生まれ、お寺は20年5月の空襲で焼失していた。
しかし、前住職の小俣昌雄さん(75)から地元の郷土史研究会「とごゑの会」が中心となって、この秋地元で「あの日のオルガン」を特別上映して往時を偲ぶ会を催す計画があることを話された。
戸越は江戸時代までは”とこえ”と呼ばれ、行慶寺は”とごえ”村の戸越八幡として江戸名所図鑑にもその名前がでてくる。残念ながら空襲で全焼てしまい、昔の面影はないが、昔から子育地蔵と言われた石仏、地蔵尊が寺の正門の前にあり、ルンビニ幼稚園野園児たちから身じかな“ののさん”と親しまれているそうだ。歳月の経過と共に”戦争”が風化してきている。その意味で映画「あの日のオルガン」は、あの時代を後世に伝える、よすがとして貴重なものだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます