鹿児島県鹿屋市の住宅型有料老人施設「風の舞」で、今年10月までの1か月間に入居者の85歳から96歳までの女性7人が次々と死亡、さらに今月に入ってからも1人が亡くなられた。この施設では、連続死亡が起きる直前、介護職員など8人が退職しておリ、鹿屋市役所では、職員の退職と入居者の死亡と間に”介護放棄”などの因果関係があるのではないかと調査している。
鹿屋市は大隅半島の錦江湾に面する風光明媚な地で、「風の舞」は市のバラ園山麓にあり、住宅型施設のほか付属の病院、訪問介護、通園介護など幅ひろく老人福祉事業を展開している。インターネットで調べると、立派な施設で、PR宣伝文句には“西方浄土を臨む”地にあり、入居者の人権尊重を第一とするとある。何故、こんな立派な施設で、こんな痛ましい出来事が起きるのだろうか。
「風の舞」施設は50人定員だが、今月8人目の方が亡くなった時には、夜間宿直は施設長と新人の二人しかおらず、ご遺体には重度の床ずれがあったという。鹿屋市でも入居者への”介護放棄”を認めているようだ。
鹿屋市といえば、戦争中、海軍の特攻隊の出撃基地があったとこだ。亡くなった女性はその厳しい時代に少女時代を送り苦労した世代だ。老人施設をめぐるこの種の出来事があまりにも多すぎる。痛ましすぎる。