Rostropovich Popper Dance of the Elves
私はロストロポーヴィチの演奏が好きで、何度も演奏会に行った。彼が演奏会のあと、白い楽器ケースをコロコロ引っ張ってホテルのレストランに入るのも目撃した。
この曲は軽やかなポッパーの名曲だが、ドヴォルザークなどを聴くと、心が震え、立ち上がれないほどの感動を受けた。
彼は天才だった。本職のチェロ以外にも指揮、そしてピアノはあのリヒテルの代役までして名曲をちゃっかり世界初演までしてしまった・・・普通ではないのはすぐわかる。
彼がソ連当局を批判し、あらゆる名誉をはく奪され、ほとんど無一文で国外追放を受けた時、助けたのは小澤征爾で、アメリカの家を無償で貸したことは有名。その家に小澤の亡き父の写真が飾られていた。
ロストロポーヴィチはその写真の前にローソクを灯し、毎日祈ったという。また日本公演では小澤が日本に帰国する前に、小澤の父の墓参りをし、小澤の母のすすめるおにぎりをほおばっていたことで、小澤本人を驚かせた。
また彼は「音楽キャラバン隊」と称して、田舎のお寺で無料コンサートを開き、夜は農家の家でもてなされ、鍋料理を囲んだという。
東京では貴乃花の稽古を見に行き、その後、浴衣をはおってちゃんこをつついていた。
また皇居に上がり、天皇陛下が以前から親しまれているチェロのレッスンを引き受けた。「なぜヴィヴラートをかけないのか?」と天皇陛下に質問、「高貴な身分のかたは音をふるわせたりしないんだな」と納得したり、いろいろ報道されていた。
夫人はボリショイのプリマドンナ、ヴィシネフスカヤ。
このリサイタルでピアノ伴奏をしているのは、娘である。
☆ 同じくチェロを弾かれるフローラはなさまに捧げます
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