ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

ステッラとシミオナート、20世紀最高のヴェルディ「アイーダ」

2011年08月31日 | オペラ
G. SIMIONATO & A. STELLA "Fu la sorte dell`armi" Aida


ヴェルディソプラノとして理想的なステッラ(写真右)、そして心理表現に見事なメッゾソプラノのシミオナート(写真左、サインもある)、1956年ミラノ・スカラのライヴ。

エジプトの若い将軍ラダメスをめぐって恋のさやあて、これはすごい。
シミオナートのアムネリスはファラオの娘、エジプト王女として富と権力、そして美貌を誇るが、ラダメスには片思い。
そこで奴隷のアイーダを疑う。

「お前の祖国は戦争に負けて気の毒だ、私を姉と思い、なんでも相談しなさい」とやさしく言うが、内心、嫉妬に狂っている。
「でもラダメスは戦死した」とアイーダの反応をみる・・・嘆き悲しむアイーダ、
そこで「奴隷め!彼を愛しているんだろう!震えるがいい!ファラオの娘である私もラダメスを思っている。ラダメスは生きている」・・・それを聴いて「生きていらっしゃった」と喜ぶアイーダ、
アムネリスの怒りが激しい言葉となる。
アイーダは思わず「では私もあなたのライバルでありましょう」と言ってしまうが「あなたさまは、おしあわせで何でも可能な力をお持ちです。私はこの愛だけに生きています」
と許しを請うがアムネリスは許さない。

ステッラのピュアな美声、しかしなかなか・・・敵国エジプト王女にはプライドを見せてしまう。
そしてシミオナートの鋭く圧倒的な心理的表現で迫るヴェルディの強いフレージングを歌う迫力、

1950年代の素晴らしい名演のひとつである。

指揮はヴォット、ミラノスカラ

Giulietta Simionato and Antonietta Stella sing"Fu la sorte dell`armi"
from Aida by Giuseppe Verdi (1813-1901)
Orchestra e Coro del Teatro alla Scala di Milano
Antonino Votto, conductor
Milano, 07.XII.1956


・江川詔子が自分のツイッターでAMNERIS(アムネリス)と名乗っているが、彼女はオペラファンらしい。ちょっとキャラクターが違うと思うが。
アムネリスは富と権力でなんでも思い通りにするつもりだったが、人の愛情はそれが通じず、悲劇の女性のひとりでもある。そしてアムネリスは美しい。
コメント (7)
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