米ロ問題はただの茶番。軍需ビジネスで儲けたいだけ
一方、米ロ問題は少し状況が違います。
ロシアのプーチン大統領は、地上発射型中距離ミサイルの製造に着手する方針を表明しています。一方で、米政府による日本や韓国へのミサイル配備に向けた動きに懸念を表明し、軍拡競争をエスカレートさせないよう米国側に促したものの、米国側から反応はなかったとしています。
しかし、両国には阿吽の呼吸があります。いまや、大国同士の軍事衝突はありません。あくまで「軍需ビジネス」のためにやっているようなものです。
軍需ビジネスは金額が張りますので、大国にとっては重要な資金源です。米ロが先行しているのがわかるでしょう。大国がみずから軍事設備を増強すれば、他国も同じようにそうします。そうすれば、軍事設備がたくさん売れます。非常に面白い構図です。
交渉上手なプーチン大統領
プーチン大統領は、米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が前月失効したことを踏まえ、これまで同条約で開発や製造が禁止されてきたミサイルについて「無論製造する」としています。しかし、米国が先行してミサイルを配備しない限り、ロシアがミサイル配備に動くことはないとしています。
これも非常に興味深い「演出」です。
さらに「米国防総省のトップが日本や韓国にミサイルを配備する意向を示していることはよくない」とし、「懸念材料だ」としています。また、「日本と米国の安全保障上の協力関係、その他の問題が、日本との平和条約締結を困難にしている」とまでしています。
米ロ問題を日ロの北方領土問題に紐付けるあたり、やはり交渉上手といえます。 一方、トランプ大統領との電話会談で、ロシアが開発する極超音速核兵器の販売を打診したところ、米国は自国で開発するとして拒絶されたとしています。ここまでオープンしていますが、だからこそ、演出が効いてくるわけです。
プーチン大統領にもてあそばれる安倍首相
さて、安倍首相はロシア極東ウラジオストクでプーチン大統領と会談しました。
ロシア側の強硬な姿勢により平和条約締結交渉が行き詰まる中、北方領土問題の決着に向けて道筋を見いだせるかが焦点でした。両氏の首脳会談は通算27回目でしたが、結果的に予想された通り、何もありませんでした。
安倍首相もなんとか交渉を進めようと必死でしたが、プーチン大統領が一枚も二枚も上手でした。
両首脳は昨年11月に、平和条約締結後に歯舞群島、色丹島を引き渡すと定めた1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させることで一致しました。
その後、両国外相を責任者として協議を重ねてきました。しかし、北方領土に関する歴史認識や主権に関して立場の隔たりが埋まらず、当初は大筋合意を想定した前回6月の会談は交渉継続の確認にとどまっています。
この問題はおそらく、なかなか解決しないでしょう。
そもそも、日米の関係がある以上、ロシアがこの問題で折れることはないでしょう。安倍首相は事実上の「2島返還」に舵を切っていますが、それでもすべてを完全に取り込みたいプーチン大統領からすれば、安倍首相の目論見は見え見えです。
安倍首相はプーチン大統領との「信頼関係」を基に、意見交換を通じて局面を打開したい考えのようですが、それは外交では通用しません。結局は、返還されずにロシアに実効支配されることになりそうです。 (以上)
★ はじめてこのようなことを書いた記事を読みました。
そういえばどこの動画か忘れましたが「トランプはひとりで決める」と言っていた人がいました。
長くて一度に転載できないので全部で3回にわけてUPしました。
次回は「討論」【討論】日本政府がすべきこと、しないこと、できること [桜R1/9/28]
・・・この記事は。https://www.mag2.com/p/money/775347