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ロシア、マリウポリの製鉄所「完全制圧」…アゾフ大隊幹部を特殊装甲車連れ出す 、悲痛/アゾフは英雄だ・・・日本の公安も「ネオナチ」否定/奥山篤信氏緊急エッセイ「マサダの戦い」

2022年05月22日 | 政治

1,ロシア、マリウポリの製鉄所「完全制圧」…アゾフ大隊幹部を特殊装甲車で連れ出す

配信  読売新聞オンライン

ロシア国防省は20日夜、ウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所を完全制圧したと発表した。セルゲイ・ショイグ国防相がプーチン大統領に対し、「製鉄所とマリウポリをウクライナの兵士から完全に『解放』した」と報告し、製鉄所の制圧作戦の終了も伝えたという。

 

明海大学教授/日本国際問題研究所主任研究員  小谷哲男氏のコメント
(たいしたコメントではないが、今のところこれしかないので)

ウクライナ軍が兵士の生命を守るためアゾフ連隊に戦闘の停止を命じたとみられる。ロシアが「ネオナチ」とみなすアゾフ連隊をどのように扱うのか、また製鉄所に残されたウクライナ兵の遺体を運び出せるのかが次の焦点。プーチン大統領はマリウポリの制圧を戦果として宣伝するだろう。

その他の一般コメントより
とうとう、製鉄所を明け渡す日が…言葉が出てきません。

2/24マリウポリでは誰も戦争が始まると思わなかった。
ロシアはハイブリット戦を開始。ライフライン、食料、インターネットなど情報網を破壊。混乱の中、住民の4/1は避難したが、殆どの人が気づいた時は手遅れでした。
産院、集中治療を手掛ける病院、避難場所になっている劇場や学校など、ロシアは無差別に激しい砲撃や空爆を繰り返す。人道回廊が何度もロシアの妨害により中止。
2万人もの犠牲者を出し、街は見る影なく破壊しつくされた。
マリウポリの惨状を伝える映像、ジャーナリストの手記は何度見ても辛くなります。

約3ヶ月間とても困難な籠城戦でロシアと抗戦する戦闘員の姿は、マリウポリに注目を集め人々の心を揺さぶったと思います。私もその一人です。

降伏した戦闘員らが、ロシアからどのような処遇を受けるのか心配です。
捕虜交換が順調に進むことを祈っています。



2,【専門家解説】「アゾフ連隊はネオナチ」はロシア側のプロパガンダ ウクライナ研究第一人者・岡部芳彦教授(2022年3月28日放送)



3,公安調査庁「誤情報が拡散」ウクライナ・アゾフ連隊めぐる記述を削除、ロシア側は反発
配信

ウクライナの準軍事組織「アゾフ連隊」(大隊)について、「ネオナチ」と記載していた公安調査庁が、「国際テロリズム要覧」から該当部分を削除した。サイト上で明らかにした。

 
 
中村逸郎教授最新のyoutube

4,【専門家が独自予測】6月12日「ロシアの日」にコバリョフ氏が大統領代行か?"プーチン大統領の家政婦"と呼ばれるセーチン氏が後継者任命に存在感か 中村逸郎名誉教授(2022年5月20日)




5,作家・評論家の奥山篤信氏のエッセイ「マサダの戦い」

◎マサダの戦い (1)
ウクライナの勇敢な兵士たち、特にネオナチと元オカルト大使がネオナチとかで揶揄しているアゾフ大隊 彼らが家族と別れてウクライナのために決死の戦いを続けているが、あの製鉄所で未だに戦っているとの報道もある。立派な兵士たちを見ると、僕はちょうどイエス直後のあのユダヤ人のローマ帝国との戦いで玉砕したマサダの戦いを彷彿とさせるのだ。
僕はイスラエル聖地ツアーに修士号論文の材料としてマサダ玉砕地を訪問した。そして彼らの最後の言葉を聞きながら涙を抑えることができなかった。
僕の修士号論文は<友のために命を捨てる、これ以上の愛はない。ヨハネ福音書 15;13>だ。神父である担当教官が極めて寛大な方で僕のわがままを許してくれた。
未だにお付き合いしているが・・あのソフィアで他の担当教官神父だったら<地獄に堕ちろ>と放校処分だっったかもしれない。爆笑 
この修士号論文は僕の最初のキリスト本として<人はなんのために死ぬべきか>となった。4冊のキリスト本の最初ものだ。
さてマサダの戦いと玉砕: 
①マサダの戦い
マサダはイスラエルの南部にある紀元前120ごろに建設された古代の要塞である。その標高約400メートルの岩山のトップの台地からは死海が望める景勝地でもある。
ヘロデ大王が紀元前37から31の間に離宮兼要塞に改修された。66年に始まった第一次ユダヤ戦争でティトゥス率いるローマ軍によって紀元70年エルサレムが陥落したあと、熱心党中心にここに立てこもり、徹底的に闘いローマ軍15000人に陥落するまで、最後は960人のユダヤ反乱軍が集団自決した場所である。

まさにイスラエル民族にとっての聖地でもあり、現在でもイスラエル国防軍の入隊式がマサダ頂上で行われ、国家への忠誠を誓う場所である。
このユダヤ人の対ローマ帝国の戦争の歴史はフラヴィウス・ヨセフス著『ユダヤ戦記』(秦剛平訳 筑摩書房2002.4.10)に詳しい。
73年のローマ軍による破壊後は長い間その所在が分からなくなっていたが、1838年にドイツ人研究者によって発見された。その後イガエル・ヤディン(Yigael Yadin、1917年–1984年 イスラエルの軍人、政治家、考古学者。第2代イスラエル国防軍参謀総長、メナヘム・ベギン内閣の副首相)(注 1956年、死海文書について書いた1955年の博士論文でイスラエル賞を受賞。考古学者としてクムラン、マサダ、ハツォール、ゲゼル、メギドなどの主要遺跡を発掘した。
またバル・コクバ当時の手紙や生活用具をナハル・ヘヴェルの洞窟で偶然発見。1970年にはヘブライ大学考古学研究所の教授)の1963から1965の発掘・調査により全貌が明らかになりフラヴィウス・ヨセフスの信憑性が確認された。この調査記録は『MASADA~ Herod’s Fortress and the Zealots’ Last Stand』Yigael Yadin 
この翻訳は田丸徳善訳で『マサダ ~ヘロデスの宮殿と熱心党最後の拠点~』山本書店1975.3.10で出版されている。

さてマサダの玉砕だが、熱心党員を中心としたユダヤ人967人がエルアザル・ベン・ヤイル(Eleazar Ben Yair)に率いられてマサダに立てこもり、ローマ軍15000人がこれを包囲した。ユダヤ人たちは2年近く抵抗したが、73年についにローマ軍によって攻め落とされた。陥落直前にユダヤ人たちは、投降してローマの奴隷となるよりは死をと、2人の女と5人の子供を残して全員が集団自決した。その際のエルアザルの弁舌がここにある。(Zionism and Israel - Encyclopedic Dictionary~Masada )
"My loyal followers, long ago we resolved to serve neither the Romans nor anyone else but only God, who alone is the true and righteous Lord of men: now the time has come that forces us to prove our determination by our deeds. At a time like this, we must not disgrace ourselves: hitherto we have never submitted to slavery, even when it brought no danger with it: we must not choose slavery now, and with it penalties that will mean the end of everything if we fall alive into the hands of the Romans. For we were the first of all to revolt, and shall be the last to break off the struggle. And I think it is God who has given us this privilege, that we can die nobly and as free men, unlike others who were unexpectedly defeated. In our case it is evident that day-break will end our resistance, but we are free to choose an honorable death with our loved ones. This our enemies cannot prevent, however earnestly they may pray to take us alive; nor can we defeat them in battle."
"Let our wives die unabused, our children without knowledge of slavery: after that, let us do each other an ungrudging kindness, preserving our freedom as a glorious winding-sheet. But first let our possessions and the whole fortress go up in flames: it will be a bitter blow to the Romans, that I know, to find our persons beyond their reach and nothing left for them to loot. One thing only let us spare -- our store of food: it will bear witness when we are dead to the fact that we perished, not through want but because, as we resolved at the beginning, we chose death rather than slavery."

まさにこれこそが<死>の意味を考えさせられる感動的な局面といえる。<捕虜となって辱められ、そして奴隷となる不名誉>を避ける、そして集団自決の原因が<食糧不足で欠乏の中で飢えに苦しんで死んだという見苦しさ>を避けるため食糧には一切火をかけずにそのまま置いていく(通常焼き払うのが戦場のならわし)、まさにこのマサダの玉砕の死こそが、後世イスラエル民族の永遠を、そして1948年5月14日イスラエル国として独立宣言に導き、現在に至るまで、彼らの名誉ある死がどれだけの大きな価値をもってきたか、まさに歴史上の最高の価値ある死といえる。

1963から1965年の間のイガエル・ヤディンの率いるマサダ調査団は発掘によりシナゴーグを発見したが(経緯『マサダ ~ヘロデスの宮殿と熱心党最後の拠点~』の14章『シナゴーグとその巻物』205p以降にあるが、その際巻物を発見し、エルサレムの実験室で解析したところ申命記の最後の二章が含まれていることが判明、それに何よりもエゼキエル書の37章の抜粋すなわち枯れた骨の幻想を含むものが発見された。214p
当然玉砕のエリート戦士たちがこのエゼキエル書を座右の書としていたことは間違いないだろう。
エゼキエル書について聖書学者K・コッホはその著Die Propheten Ⅱ・Babylonisch-persische Zeit日本語荒井章三訳『預言者Ⅱ』2009.12.25にて
<37:02主はわたしに、その周囲を行き巡らせた。見ると、谷の上には非常に多くの骨があり、また見ると、それらは甚だしく枯れていた。 37:03そのとき、主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるか。」わたしは答えた。「主なる神よ、あなたのみがご存じです。」>

そして
<37:11主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。・・ 37:12・・・主なる神はこう言われる。わたしはお前たちの墓を開く。・・・37:13わたしが墓を開いて、お前たちを墓から引き上げるとき、わが民よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。>
この箇所について後代になって、死者の復活の約束とみなされるようになったが、エゼキエルの意図はそのことを目的としているのではなく、彼は「大きなわたし」としての民の再興を告知しようとしているだけである。そして彼にとって、それだけでも奇跡中の奇跡であり、生命を与える神の霊風が歴史への一回的な偉大な介入によって可能になると解説している。
聖書学者C・ヴェスターマンその著Abross der Bibelkunde Altes und Neues

(青字はドイツ語です。・・・ブログ主)

1人、立っている、記念碑、アウトドアの画像のようです写真の説明はありません。

マサダの要塞とマリウポリ製鉄所 自由主義のために戦うウクライナの英雄たちを悼むとともにこれこそヨハネ福音書にある<友のために命を捨てる、これ以上の愛はない> 全て特攻や硫黄島・沖縄防衛に命を捨てられた日本の英雄を彷彿とさせる。自由を!然らずんば死を!(奥山篤信氏)




 百田尚樹氏の「新版・日本国紀」連載です。
百田尚樹の新版・日本国紀#60 《鎌倉時代編》第15回「建武の新政幕府が倒れて都が大荒れ」




ブログのティールーム

本日はヴァーグナー「タンホイザー」から、<夕星の歌>をお聴きください。このオペラの中で最も美しいアリアです。
歌うのはドイツ最高の美声のバリトン、ヴォルフガング・ブレンデルです。・・・彼はイタリアのベルカント唱法で歌っています。

Wolfgang Brendel "O du mein holder Abendstern" Tannhäuser





コメント (2)
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