ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

奥山篤信氏による倉井高志元ウクライナ大使の著書の書評/どこか変・・・参政党vs新党くにもりで激論!山岡鉄秀×神谷宗幣×松田学×本間奈々×安藤裕/その他

2022年06月16日 | 政治
◎書評『世界と日本を目覚めさせたウクライナの「覚悟」』 奥山篤信氏
著者:倉井高志
価格:1,760円(10%税込)
発行:PHP研究所

先週の末に店頭に並んだ待望のウクライナ本である。
早速アマゾンに昨日発注今朝届き午後から一気読みで2時間で読了した。
日本には同じ京都大学法学部派でも馬淵睦夫元ウクライナ大使(1946年生まれ1968外務省入省)した反グローバリストで「世界を陰で操るディープステート(DS)が存在し、ウクライナ侵攻にも関わっている」等の主張を繰り返し、日本のロシア・ロビー(プーティン擁護派)を沸かせており、参議院選挙の複数の新党どころか自民党でも、この説を盲信する候補が日本の保守派や官僚などにも存在する。
馬淵元大使はその持論として2022年ロシアのウクライナ侵攻におけるブチャの虐殺は、「あれ、虐殺したのはウクライナの軍、警察当局、治安当局ですよ」と発言し、ウクライナのブチャで見つかった多数の民間人の遺体をめぐっては、ロシア側が「ロシア軍が掌握していた間、暴力行為に遭った住民は一人もいない」と主張しているから驚きだ。

そんな中で倉井高志氏(1955年生まれ1981年外務省入省)の著書は下記のような構成になっており、内容も極めて事実に即していると冷静に判断でき、その意味で待望の書である。
いわゆる陰謀論というのは、まさに病的なパラノイア現象であることが多い。報道やニュースなどの断片を捉え、自分なりの筋書きを作りそれに固執する。歴史的には<ユダヤの陰謀><パールハーバーの陰謀>などなど陰謀論(*)が跋扈するが、特有なのはこの人たちの取り憑かれたような病的な陰謀論。例えばプーティンが、お粗末にも<ネオ・ナチ退治>というエキゾティックでエクセントリックなプロパガンダなどまさに<裸の王様>的発言でこれほどロシアという国の大衆がこんなスローガンに乗るレベルだということだろうが、そんな中でこの馬淵元大使の上記発言はまさに暴論といえよう。

プーティンが西側にしてやられたということを、ロシアの立場からして緩衝帯を必ず求めるソ連以来のロシアにとっての国防策はまさにソ連時代には衛星国の犠牲に成り立ったものであり、ソ連崩壊後、それに NATOが侵食してきたゲオポリティック論を唱えるプーティンに分(ぶ)があるなど荒唐無稽の議論、この本を読むとミンスク合意を破っているのはロシアであってウクライナではないこと、つまり一つ一つの出来事はウクライナの裏切りではなくロシア側の背信であることがわかる。詳しくは皆様の読後感に任せるが、倉井氏のポイントの問題の所在は現実的で当然のことながら:
 力には力で対処するしかない
 軍事大国になるか集団防衛体制の一員になるか
 国連安保理は機能しない
状況下で国連の外における安全保障の枠組み
1 NATO の役割の重要性
2 日本にとって重要なテーマ:欧州とアジアの安全保障の不可分性
3 G7の役割
を説いている真っ当な議論である。
さらに日本の左翼の言い草にありがちな、中国とロシアをうまく手懐けながらする駆け引き外交などと言う馬鹿さ加減について、まさに<足元を見られるだけだ>と一刀両断 ロシアなどとの交渉において個人的関係など譲歩と思われるだけ、弱く出たら却って強く出てくるロシア外交に日本で個人的外交を騙されても騙されても信じる輩が多いことに反省せねばならないと常々思っているが僕は全く同感だ!

〜ウクライナは西からロシアを見ている。日本は東からロシアを見ている。しかしロシアは常に両方を同時に見ている〜と言うことだ。
ファーストネームで呼び合ったり、温泉で2人でくつろぐなど相手はロシア人却って弱みを見せるだけなのだ。
日本人は相手が外国人であろうと日本人と同じような感性で義理人情やらモラルが通用すると言う間違いをいつもいつもどこの国にも間違いを犯しているのだ!
しかしこの倉井氏という外交官には京都大学と言う元々反骨精神に満ちた校風があるが、この本を読んで意気に感じる。
京都大学には良い意味での反骨精神はあるが、ほとんど同数の人格破綻型も多いことは事実だ。(爆笑)

【本書の構成】
第一章 ウクライナとはどういう国か:ー国家としてのアイデンティティとロシアとの関係
第二章 ロシアの軍事侵攻
第三章 ウクライナの抵抗
第四章 ウクライナが見せた「覚悟」:ー国家の安全はいかにして確保すべきか
第五章 ロシアによるウクライナ侵攻と中国
第六章 ウクライナとロシア、そして日本
【著者】
倉井高志(くらい たかし)
元外交官。前ウクライナ大使。京都大学法学部卒業後、1981年、外務省入省。外務省欧州局中東欧課長、外務省国際情報統括官組織参事官、在大韓民国公使、在ロシア特命全権公使、在パキスタン大使を経て、2019年1月から2021年10月までウクライナ大使を務め、同月帰国。

(*)陰謀論(conspiracy theory)とは、なんらかの有名な出来事や状況に関する説明で「邪悪で強力な集団(組織)による陰謀が関与している」と断定したり信じたりするものである]。この言葉は、偏見や不十分な証拠に基づいて陰謀の存在を訴えているという、否定的な意味合いを持って使われることが多い。心理学者は通常、陰謀論を信じることや、何もないところに陰謀を発見することは、パラノイアやスキゾタイピー、ナルシシズム、および愛着障害などの多数の精神病理学的状態、あるいはアポフェニアなどの認知バイアスに起因すると考えている。
 


新党討論SP!参政党vs新党くにもりで激論!原発再稼働、経済政策、核保有、移民問題、憲法改正など 山岡鉄秀×神谷宗幣×松田学×本間奈々×安藤裕【新党討論SPECIAL】6/15水13:00~15:00





ふたつの「新党」の対談、「くにもり」の本間奈々さんは(ひとつのことを除いて)シンがしっかりしている。
気になったのは「サンセイ党」には、統一教会も創価もいるのでそれを「宗教」とし、排除はしない、政党に宗教からの献金は受けない、という。
しかしそれは「理想」を語っているにすぎない。
統一教会は明らかに外国の勢力である。もしそれらを「宗教」として受け入れるなら、そうした人たちは「ス〇イ」として入ってきているに気が付かないのではどうしょうもない。ヤワなこの人たちに太刀打ちできる内容ではない。「宗教」として受け入れるなら、必ず党の中に入り込み、拠点を外国にも置く宗教勢力の「支店」となるだろう。
何でもコントロールできるように神谷氏はいうが、それだけの「力量」が彼にあるとは思えない。氏も統一教会等に親しいということもいわれている。
疑問に思うのだが「サンセイ党」の熱狂的な街頭演説も「日の丸」の旗が全く見られないのはどういうことか?

また松田氏はなぜか「とんでもない早口」であるが、内容は薄い。自民党内の元「次世代の党」の議員がいるので連携する、というが、その元「次世代の党」にいた議員も全部が正しいわけでなく、自民党で次の選挙の公認その他で、安倍派に擦り寄ったりしてきたのを見てきた。その露払いをしてきた恥ずべき議員もいるし、口先だけは勇ましいが実践する気がない議員もいる。
甘く考えている、というよりも「言い逃れ」である。

「憲法改正」についてはどちらも二の足を踏んでいる。それについては私もよく理解できる。
保守層が「憲法改正」すれば全部魔法のようにうまくいく、という幻想を信じ切っているのが痛々しい。
それを命をかけて立ち向かうウクライナとは違う。日本の場合は先の大戦で「精神論」で無理をして戦い多くの犠牲を出した、そして原爆二か所、東京大空襲をはじめ各地に大きな空襲もあり、国民が二度と嫌だと思うのも無理はない。「誰かが戦争に行く」と客席から見ているような考えではダメだ。自分自身は戦場で戦えるのか?そして家族や友人、病人や子供はどこに避難すればいいのか?段階を踏んで考えていない。軍部の失敗が長く尾を引いていることも見て見ぬふりをしてはならない。
今の日本は「憲法改正」すればうまくいくというものではない。大変難しい問題なのだ。(男女平等・・・諸外国は女性も兵士になっている)
「愛国心」だけでは戦えない。

何度も言うが(この対談でも言うべきなのに触れていないが)、戦争になった時に国民を護ろうとする考えはあるのか?
西欧は「永世中立国」のスイスでも外国が攻めこんできた時に、シェルターが100%以上ある。この話も出ずに何が防衛か?
悲しいことだけれど「机上の空論」に終わりそうだ。しかし捕虜になるのもいやだ。ではどうすればいいのか?

経済の話はこの前までいた「安藤氏」が正しい、松田氏は「松田プランがある」というが、こんなことで「松田」と名付けるのか?

彼はなぜかどんどん早口になる。自信がないのだろう。早口は人にじっくり聴かせようという姿勢ではない。気がヨワイのかも?

「水道民営化」は「今は反対している」とサンセイ党はいうが、このような国民の生活に直接かかわることに「今」も「昔」もない。
胡散臭さはぬぐい切れない。街頭演説も政策でなく「出し合い話」でしかない大衆忖度の姿勢、そして気味悪い「陰謀論」(これはチャンネル桜もそうだが)は、情けない。

問題は「ロシア」の件だ。これは本間奈々さんもダメ。・・・まさに「ロシアフレンド」だ。
安藤氏も「ロシアとウクライナには歴史的な事情がある。それを知っていろいろ認識をして、日本の領土を護るべき」
松田氏「ロシアは確かに国際法違反をした、しかしロシアをこのようにさせた国がある」という。「どっちでもない、私たちは日本派だ、感情論になるのでない」
神谷氏「岸田政権がロシアを敵にした。ウクライナに物資を送ってしまった。それで北海道までもとはロシアの領土だ、と言い出した」という。
この人は本当に何もわかっていない。ロシアがこうなったのは岸田政権のせい?
日本はロシアに国際秩序を護るべきと言っているだけであり、武器は送っていない。それもわからずこのような低脳力な話をするようだったら、今まで通り、サンセイ党には賛成できない。

「くにもり」の本間奈々氏、チャンネル桜の水島氏がウイグル出身の女性を参院選に立候補させたことを「賛同」していたようだ。
しかも水島氏は日本人候補者を下げてまで。ウイグルへの中国のジェノサイドは絶対に許せないし、国際的にも手を組んで非難すべき。
しかし、選挙は「日本人の為の日本人による選挙」である。線引きは厳しくしないとならない。
よって「くにもり」も却下だ。・・・これは譲れない。 本間奈々さんはこれに妥協したのは違うだろう。日本人候補者をおろしてまで、というのでは本末転倒だ。
本間奈々さんは「中国と戦おうとする人は日本人以上に日本人ですよ」というのはイデオロギーの暴走だ。

(以上、個人的な感想)


 百田尚樹氏の「新版・日本国紀」連載です。

百田尚樹の新版・日本国紀#77《戦国時代編》第9回「戦国時代の日本は、ヨーロッパも手出しできない最強の国だった」






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本日はヴァーグナー「タンホイザー」~歌の殿堂、
婚約者のタンホイザーが帰ってきて、この広間で歌合戦が行われる、エリーザベトはわくわくしながらこの歌を歌う場面です。

ソプラノのビルギット・ニルソンの歌でお聴きください。

Tannhäuser (Act II) (2008 Remastered Version) : Dich, teure Halle, grüß ich wieder...





ジェシー・ノーマンの歌うヴァ―グナーはニルソン引退後、最高峰であり、見事なものだった。
ヴァーグナー「タンホイザー」~歌の殿堂
実況録音でお聴きください。

Jessye Norman as Elizabeth in Tannhauser from ENO Concert





コメント (6)
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