ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

ショスタコーヴィッチ交響曲第5番とスターリン

2010年09月10日 | 芸術
Shostakovich Symphony No. 5


ソ連の作曲家、「ショスタコーヴィッチの証言」という本が出て、世界に衝撃を与えたことを昨日のように思い出す。

また、世界的チェリスト、ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチは「収容所群島」でスターリン体制を痛烈に非難した作家のソルジェニーツインを保護し、別荘にかくまい、祖国追放となったことを、ソプラノ歌手で夫人のヴィシネフスカヤが書いた「ガリーナ自伝」を読み、愕然となった。

ショスタコーヴィッチは、最初はスターリンの「栄光」を讃えた曲を書いているように見せかけて、実は「強制された歓喜」を表現していたことがわかり、この交響曲第5番の聴き方が変わったことも、ドラマよりドラマティックだった。

どれだけの文化人がスターリン体制を批判し、処刑されたりシベリアで命を失ったか・・・ドアをノックする音にも、ピアニストのリヒテルやヴァイオリニストのオイストラッフは震えあがったと言う。
ショスタコーヴィッチの作品を世界初演したのが、チェロのロストロポーヴィッチをはじめ、リヒテルやオイストラッフでもあった。

この動画は短くわかりやすい。独裁体制で音楽家は「音楽で戦った」証でもあった。



今、「モナコ命」様からコメントで、ショスタコーヴィッチの交響曲「第5番」は、ビゼーのオペラ「カルメン」のハバネラからpredns garde a toi(気をつけろ)という歌詞のところの旋律を提示した、とありました。
コメント欄をご覧ください。
モナコ命様、ありがとうございました。
その通りなのです。ショスタコーヴィッチは音楽に暗号を使っていたといいます。
それを知るのは彼の友人仲間たち、そしてそのことが明らかにされたのは彼の死後です。
また、交響曲7番も「スターリンを笑った」というものです。
それを日本ではテレビCMで「チチンプイプイ」と流行させましたが、これは頂けない情けないことでした。

テレビCMでは、クラシックをとりあげてもガックリのことが多いです。
「アンドレア・シェニエ」のアリアを歌うドミンゴがビールを手に歌っていました。
ビール会社の宣伝です。
マリオ・デル・モナコだったら、コレッリやベルゴンツイだったら絶対にしないことです。
私はこれでドミンゴの底がしれた、と思ったものです。
そのアリアはシェニエの即興詩であり、「貴族社会の頽廃と宗教者の偽善」を歌ったものだったから・・・。

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2 コメント

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ソビエト政権 (モナコ命)
2010-09-10 20:37:26
この曲!大好きなんです。4楽章のテーマは「ラレーミーファー」です。これはカルメンのアリアを取り入れたと言われています。1幕のカルメンの「恋は野の鳥」のあのメロディーを長調にしたという説です。この話の真贋はカンタービレ様におまかせします。この歌詞の中の「prends garde a toi」が「気を付けろ!」です。つまりショスタコーヴィチは「気を付けろ!スターリンに気を付けろ!」とこの主題の冒頭で高らかに歌ったわけです。ロストロポーヴィチが、なんと!「徹子の部屋」に出演したことがありました。その番組でもカンタービレ様がご紹介のソルジェニーツインを保護したエピソード、ショスタコーヴィチを保護したエピソード、逆にショスタコーヴィチに命を救ってもらったことを述べていました。スターリン。。ヒトラーのナチス虐殺以上に自国民を殺した男。ある意味、今の日本の政治家に似ています。私腹をこやすため、どれだけの健全な日本人が苦しんでいるのか!今、民主党はソビエト政権に酷似しているのです。菅直人!きけ!小沢一郎!ひざまづけ!お前達はスターリンと同じことを今の日本でしているのだ!まあ、こんなことは声に出して言えませんので、せめてカンタービレ様のブログでささやかせてください。
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ありがとうございます。 (ベッラ・カンタービレ モナコ命様)
2010-09-10 21:50:36
さっそく赤色でモナコ命様のコメントを御紹介しました。
私もそれを読んだのですが、ショスタコーヴィッチ死後まで秘密を守ったことは、彼の命の保証だったのですね。
親をもソ連共産党に売り渡す世の中で・・・心痛むことが多かっただけに、これは感動でした。日本はスターリン体制に近くなっていきます。私たち国民はしっかり監視しなければなりません。怖いことです。「人権擁護法案」なんてゲシュタポそのものなんですから。
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