井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

マーラー:交響曲第4番 第1楽章〈西郷輝彦〉

2010-04-26 21:50:59 | オーケストラ

筆者は,いかにもドイツ・オーストリア民謡由来のクラシック音楽の旋律というのはあまり好きではない。民謡そのものは結構好きなのも多いのだが,それがリファインされてクラシック音楽になってしまうと,なぜだか魅力を感じなくなってしまうことが多い。

と,抽象的に述べても何のことだかわからないであろうから,具体例を挙げると,リヒャルト・シュトラウスの旋律が筆頭に挙がり,ブラームス,シューマン,シューベルトあたりの一部がひっかかってくる。その観点によるのだが,当初,この第1楽章の第1主題は,あまり好きになれなかった。モーツァルトもどきにしか聞こえない。(上述の作曲家にも,時々モーツァルトもどきが現れる。○○モドキは苦手である。マグマ大使のニンゲンモドキは恐かった。)

この見方をガラッと変えてくれたのは「西郷輝彦」さんである。

昔,今井美樹扮する主人公が,ある建物の一室に入ると,迎えてくれたのがカッコイイ中年男性(西郷輝彦),バックに流れていたのがマーラーの交響曲第4番第1楽章の第1主題,というテレビドラマがあったのだ。それはそれはゴージャスで,皮張りのソファに身を置いて,ブランデーでも傾けるのが似合う音楽に聞こえた。

この状況の音楽,モーツァルトではダメなのである。ある程度,低音がズンズンなって,どちらかというと大音量で鳴らしたいからである。でもワーグナーではダメなのである。大音量過ぎるから。その点,マーラーのこれはエキセントリックに強弱がつくから,それが途切れがちな会話を合の手のようにちょうど埋めてくれるのである。

ドヴォルジャークでもダメである。日本の都会の風景から突如ヨーロッパに飛び込む感じが重要なのだ。遠き山に日は落ちる小学校の校庭を連想させてはいけない。その点,マーラーのこれは実にモーツァルト風で,典型的なヨーロッパを感じることができる。

このドラマの主題歌はユーミンであったが,他に覚えていることがほとんどない。ストーリーを覚えるのも苦手である。今はウィキという便利なものがあるので,それで調べてみると,1988年,TBSで放送した「意外とシングルガール」というもののようだ。なぜ,これを見ていたのかも覚えていない・・・。

ついでに,第2主題の後半一部は冨田勲さんが「UFOに呼び掛ける旋律」として使っていたのが印象的。原曲はフルートを使うが,冨田さんはソプラノ・リコーダーを使って,小学生の集団に吹かせていた。(ような気がする。場所が長良川だったかリンツだったか,全くいい加減な記憶しか残っていないので,御存知の方いらっしゃったら,教えて下さい。)

いずれにせよ,西郷輝彦さんのお陰で,途端にカッコイイ音楽になってしまった第1楽章,爾来,これを聴くと大変幸せな気分に浸れるようになったのであった。