ロザムンデとは正確には「キプロスの女王ロザムンデ」といって,その名前のお芝居が昔上演されたのだそうです。それに合わせた音楽をシューベルトが作曲し,現在ではその音楽だけが残って時々演奏されています。
11月21日福岡県の岡垣サンリーアイ・ウエーブアリーナ 開館10周年記念事業「元気!アリーナ10周年」で福岡教育大学管弦楽団がロザムンデ序曲を演奏します。その時の紹介のためのMC原稿でした。
お芝居の中身は,貧乏な未亡人に育てられた娘が,ある日突然キプロスの女王になります。でも,国には政権を狙う人がいて陰謀を企てられたり,彼女との結婚をもくろむ人がいたり、毒殺されそうになったり,というあわやの所で、若き青年が登場。その青年によって,王女は救われます。しかもその青年は王女が子供の頃に将来結婚するべく定められた許嫁であったこともわかり,めでたしめでたし,というあらすじです。
そしてこの序曲はそのお芝居が始まる前に演奏される曲ですが,実はこの曲、別のお芝居の付随音楽「魔法の竪琴」の序曲で,ロザムンデのために書かれた曲ではありません。どうも曲を書いている時間がなかったようです。それに当時,つまり今から200年前は別の音楽を使い回すことはよく行われていたようで,問題にする人はいなかったみたいですね。
また,当時はロッシーニのオペラが大変流行していました。モーツァルトの「魔法の笛」も人気の音楽劇でした。だからシューベルトもその人気にあやかって「魔法の竪琴」という曲を作り,ロッシーニ風の軽快な音楽に仕立てた感じがします。このシューベルトの涙ぐましい努力の甲斐あって,今日まで永く演奏される音楽になったのではないでしょうか。
11月21日福岡県の岡垣サンリーアイ・ウエーブアリーナ 開館10周年記念事業「元気!アリーナ10周年」で福岡教育大学管弦楽団がロザムンデ序曲を演奏します。その時の紹介のためのMC原稿でした。