「そこはテクスト(歌詞)をつけた感じで演奏して」と指揮者から言われた、と学生が言ってきた。
それでは、と言って「あんたがた、タフマン」と勝手につければ良いことを意味しているのではない。そのくらいのことは学生もわかっている。ではどうすれば良いか・・・。
どうすれば良いかわからず、スルーしたようだ。
そりゃそうだ。曲はメンデルスゾーンの交響曲第5番「ビフォーア・アフター」もとい「リフォーメーション」。だからドイツ語でつけろ、という意味だ。
その代わりドイツ語ならば何でも良いかも。ダス・イスト・デア・シュヴァイネブラーテン(これは豚の焼き肉だ)でも良いのだが、ドイツ語を知らなければお手上げだ。そんな指揮者は願い下げだ。
とは言え、音楽をやるのに言語の勉強は不可欠だ。特にヨーロッパの言語だが、その中でもイタリア語、フランス語、ドイツ語、になるのだが、ヨーロッパには他に何語があるのか?
私は子供の頃から子供用の百科事典を読んでいたお陰で、何となく知っていたのだが、最近は百科事典がはやらなくなったせいか、こういうことは子供が知らなくなった。
この内容は、義務教育には多分入っていない。が、とても重要なことだと私は思っている。せめて中学校の内容に含めてほしいものだというのが、私の意見である。(入っていたような気もするが・・・)
その内容とは、まず「語族」の話。
世界中の民族は、その民族が使っている言語で分類が可能である。
言語の分類になるのだが、「語族」で分けると最大のグループは恐らく「インド=ヨーロッパ語族」になる。
だからインド人は基本的にヨーロッパと近くて、我々とは遠い。ちなみに中国人はシナ=チベット系、我々日本人は、なんと「不明」。隣の朝鮮人も不明。ウラル=アルタイ系に近いとかモンゴル系の流れもあるとか言われているが、印欧系に比べるとアジア人は実に複雑なのである。
インド=ヨーロッパ語族は、8つの語派に分かれる。
・インド・イラン
・アルメニア
・アルバニア
・ヘレニック(ギリシャ)
・ケルト
○イタリック(ラテン)
○スラヴ
○ゲルマン
特に大事なのは後者の三つ、この三つがヨーロッパ9割をカバーしているからだ。
カバーしていないのはウラル語族のフィンランドとハンガリー。この二つは、その昔のフン族の侵入で流れ着いたアジア系民族が祖先と言われている。
ただフィンランドもハンガリーも混血が進んで、どうみてもヨーロッパ人にしか見えないけれど、音楽的に見て、他のヨーロッパ系と異質な部分があることには注意が必要だ。
人間は言葉でものを考えるし、音楽は歌から始まり、歌には必ず言葉がついているから、音楽に携わる人間には、言語の知識、特に「ゲルマン」「ラテン」「スラヴ」の大まかな特徴は覚えておく必要があるだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます