既にバズワードとしては定着した感がある「ビッグデータ」について、ビジネスの現状や今後の展開・課題をレポートした本です。筆者が米国在住であるので米国デジタル事情の空気を感じることができるのが嬉しいです。平易な文章による新書なので初心者向けの入門書として分かり易いです。
一方で、既に刊行されている類似の「ビッグデータ本」と比べて、特に新しい情報や視点があまり感じられなかったのは残念です。何冊か類書を当った人やこの話題について調べたことのある人には、新たな刺激や考えさせられるところはあまりないかもしれません。
私が面白いと思ったのも、「何故かアメリカでは、データ関連の話に野球を例えに出して語ることが多い」とか、「プライバシーに対しての感覚が国によって違う」(例えば、プライバシーにうるさい日本人が、政府にプライバシーを提供する(戸籍、住民票とか)のは寛容。逆に、アメリカ人は個人のプライバシー公開には鷹揚だが、政府の個人情報管理は信用しない)といったことで、いずれもビッグデータそのもののとは関係しない余談の部類の小話でした。
技術者でないけどもこのトピックについてかじってみたい人に良いと思います。