
2日連続の新国立劇場です(この日は中劇場)。ツイッタ―上での評判がとっても良かったこと、好きなストラビンスキーが演目に含まれていたので、直前にチケットを購入しました。3本立てのプログラムはいずれの演目も新制作ということです(まあ、私にとってはどれも初めてなので新制作かどうかは余り関係無いのですが・・・)。
中劇場はこじんまりしていて、舞台がとっても近くアットホームな雰囲気が好きです。今回はC席で2階2列目。大劇場では、いつも4階席からオペラグラス越しに覗き見ている私も肉眼で十分です。

≪中劇場のホワイエ≫

≪舞台が近い!≫
今回は、どの演目も特にストーリーがあるわけではない、抽象的バレエ(ダンス)です。私としては、特に一本目の「暗やみから解き放たれて」と「シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ」が良かった。
「暗やみから解き放たれて」は光のこもったぼんぼり舞台上や舞台空間におかれ、前半はまさに暗闇の中を薄い蛍光の照明がぼんやり浮いているような感じで、後半になると白熱系の色に変り明るくなります。音楽は録音テープでしたが、ジョージ・ウィンストンを思いおこさせるような曲風の音楽に合わせて、ダンサーたちが踊ります。振付が神秘的で、美しく、ダンサーたちの舞に引き込まれました。プログラムを購入していないので(ゴメンナサイ)、踊りが何を意味しているのかは分からないのですが、大きく心揺さぶられました。
3つめの「シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ」は、ストラビンスキーらしい多様なリズム、エッジの効いた音楽で、それにぴったりと合った踊りが印象的でした。中心となる3組の男女ペアの切れのある踊りに加え、周囲を固めるダンサーたちも、揃っていて迫力満点。私としては、特に米沢唯さんの優美さと運動性の2面を合わせ持ったダンスに強く惹かれました。凄い運動量なのでしょうね。踊っているときは見えなかった汗が、カーテンコールの時は各ダンサーさん汗びっしょりでした。
2つめの「大フーガ」は決して悪いわけではないと思うのですが、どうも演奏が私のイメージと合わず、もどかしい感じを持ってしまいました。ベートーヴェンらしい音楽の厚みや構造美が感じられなかった。ダンスは良かったです。肌色のバレエ・レオタードは、下着みたいで、年甲斐もなくドキドキしてしまいました(-_-;)。
とっても充実したプログラムだったのですが、何故か会場は中劇場であるにもかかわらず、半分も入っていなかったような(お客さんが入っているところと、殆どいないところがはっきり分かれていたので、実際にどの程度の入りかは良く分からないのです)。こういう抽象バレエや新しもんは、人気が無いのかしら?とっても、残念です。門外漢が言ってもあんまり説得力無いですが、こういう試みを良くも悪くもバレエファンがしっかりフィードバックしていくのが、このバレエ団を育てて行くんだと思うんですけど・・・。このバレエ団、とってもレベルが高いと思うだけに、より大きく育ってほしいです。
『シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ』
【3月22日(土)2:00p.m.】
芸術監督:デヴィッド・ビントレー
Artistic Director : David Bintley
『暗やみから解き放たれて』
Escaping the Weight of Darkness
振付:ジェシカ・ラング
Choreography : Jessica Lang
音楽:オーラヴル・アルナルズ、ニルス・フラーム、ジョッシュ・クレイマー、ジョン・メトカーフ
Music : �・lafur Arnalds、Nils Fram、Josh Kramer、John Metcalfe
照明:ニコール・ピアース
Lighting : Nicole Pearce
衣裳:山田いずみ
Costumes : Yamada Izumi
Cast
本島美和、湯川麻美子、福田圭吾、古川和則、堀口 純、丸尾孝子、五月女 遥、池田武志、宇賀大将 ほか
『大フーガ』
振付:ハンス・ファン・マーネン
Choreography : Hans van Manen
音楽:ルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェン
Music : Ludwig van Beethoven
装置:ジャン・ポール・ヴルーム
Sets : Jean-Paul Vroom
衣裳:ハンス・ファン・マーネン
Costumes : Hans van Manen
照明:ジャン・ホフストラ
Lighting : Jan Hofstra
指揮:アレクセイ・バクラン
Conductor : Alexei Baklan
管弦楽:新国立劇場プレイハウス・シアターオーケストラ
Cast: 小野絢子、堀口 純、丸尾孝子、若生愛、マイレン・トレウバエフ、福岡雄大ほか
『シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ』
指揮:アレクセイ・バクラン
Conductor : Alexei Baklan
振付:ジョージ・バランシン
Choreography : George Balanchine
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882–1971)
Music : Igor Stravinsky
管弦楽:新国立劇場プレイハウス・シアターオーケストラ
Cast:五月女遥、小野絢子、米沢 唯
林田翔平、福岡雄大、菅野英男 ほか