日本国宝展に足を運びました。日本国宝の数々の逸品が、仏、神への「信仰」を軸にして展示してあります。さすがに、国宝というだけあって、一つ一つの展示品が強いオーラを発しており、見学者の息遣いや熱気とぶつかり合って、会場では独特の「気」を感じる程でした。
訪れた時には、特別出品として正倉院の宝物も20点ほど展示されていました(こちらは11月3日で終了)。高校生の時に、確か日本史の教科書か資料集で見た「鳥毛立女屛風」[とりげりつじょのびょうぶ]があり感動。「鳥毛立女屛風」と言えば、天平文化。まだ高校時代の「日本史一問一答」の詰め込み勉強のかけらが自分の中に残っていました(驚)。
「鳥毛立女屛風」[とりげりつじょのびょうぶ]
また、「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶」[かえですおうぞめらでんそうびわ]の裏側の手の込んだ装飾は見とれてしまいます。8世紀という1000年以上も前の時代にこんな手の込んだ楽器を作る技術力と芸術魂があったということに、心底「日本人って凄い」と思ってしまいます。(ちょっと不思議だったのは、正倉院の宝物は国宝指定を受けていないのですね。何か特別な理由があるのでしょうか?)
正倉院の展示を抜けると、そこから本格的に国宝の展示となります。古くは、紀元前2000-3000年のものと言われる土偶や前2世紀~前1世紀の銅鐸から、平安時代の普賢菩薩像 (ふげんぼさつぞう)・室町時代の雪舟の画など、日本文化の繊細さできめ細やかな良さを満喫できます。
グレイの制服を着た女子高生グループが私の近くで見学していて、彼女たちの会話が自然と耳に入ってきたのですが、日本史を勉強しているようで、細かいところまで良く観ていて、良く知っていたので驚きました。同時に、彼女たちが、「凄いね~」「綺麗だね~」と本当に鑑賞を楽しんでいる姿を見てとっても感心してしまいました。政治家の先生方は「愛国心教育」なるものの必要性を叫んでいますが、こういった日本文化の直球ど真ん中を、じっくりと見せる機会が与えることが出来れば、自然と日本文化の気品や優れた点に気づき、愛国心が芽生えるのではないかとも思ったりしました。ただ、じっくり見るにはあまりにも混雑しすぎておりましたが・・・
11月下旬には期間限定で、あの「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」の金印が展示されるそうです。もう一度、行きたいと思っています。