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これからの日本の針路を天下の論客大前氏が提示する。メッセージが明確で数時間で読める本。
これからの日本がアメリカ、中国といった「ボリューム国家」に対抗していくためには、高い付加価値を生みだし、国外に開かれた「クオリティ国家」を目指すべきである。そして、クオリティ国家を目指すには、現在の中央集権体制から道州制の導入により、小回りが利いて創意工夫が生かせる統治構造に変換する必要があるというもの。スイスやシンガポールといったクオリティ国家の見本例を示しつつ、日本が向かうべき姿を示す。
いつも思うがシャープな方である。氏の主張への賛否は人によりいろいろあるだろうが、こういう具体性と論拠を持ってビジョン・コンセプトを示せる人ってなかなかいない。今回の、「クオリティ国家」というコンセプト、道州制という実現手段、まあ、実現は並大抵のことではないだろうけど、こうした戦略思考ができる日本人は多くない。
初めて知ったのは、橋下大阪市長の主張はこの大前氏から得たものらしいということだ。なんで、橋下さんが道州制、道州制って言っているのが、不思議だったのだが、大前さんの影響を受けたものだった。なるほど、そうだったのね。それなら、もう少し橋下さんを応援しても良かったが、あのお下劣な発言・品性で、とても主張に耳を傾ける気にならんからなあ。