その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響4月定期Aプロ/ 指揮:ファビオ・ルイージ/マーラー 交響曲 第1番 ニ長調「巨人」ほか

2017-04-18 08:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)
 エントリーした長野マラソンの日程と重なり、この公演は行けないはずでした。それが、急な事情でマラソンは不参加。まさに不幸中の幸い、けがの功名で、ロンドンでも何度か聴いたズナイダー君に加えて、ルイージが指揮するという超豪華メンバーの定期演奏会に出かけられることに。NHKホールもほぼ満員で、熱気むんむん。

 1曲目アイネムのカプリッチョの後に、登場したズナイダー君。相変わらず背が高い!3階席から見ると、指揮台の上に立ったルイージと変わらないぐらいの高さに見えます。ヴァイオリンがおもちゃのよう。曲目は、超有名曲メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ですが、この大柄な体躯からは想像できない様な繊細で優しい音色が発せられます。かと言って、線が細いということではなくて、型がしっかり出来上がった安定感が抜群。N響とのやりとりもしっかりで、至福の30分弱でした。

 休憩後のマーラーの交響曲第1番。これは、一昨年前にパーヴォさん・N響コンビで凄まじい演奏を体験したのがまだ記憶に新しいですが、それを上書きしかねない爆演でした。ルイージの指揮を生で見るのは、2014年1月以来3年ぶりなのですが、あんなに激しく動いたっけ。一見、学者風の方なのですが、指揮ざまは、髪を振り乱し、体を120%使ってオケに向かっていき、遠く後姿を見ている我々までその迫力に押されてドキドキしてしまいます。3階席まで届く強烈なオーラと言うか、推進力。「炎のコバケン」ならぬ「炎のルイージ」ここにありという姿でした(恥ずかしながら、当のコバケンさんの指揮と言うのは実演に接したことがないのですが・・・)。

 N響もルイージに食らいつきます。楽団員の集中力を強く感じる演奏は、マーラーの劇的な音楽と組み合わされ、聴いていて鳥肌立つこと数度。比較的、機能的な色合いが強かったパーヴォさんのマーラー1番よりも、より劇的で色合いが豊かな音楽に感じられました。

 曲が終わるや否や、会場からはブラボーと大拍手で凄い盛り上がり。私の周りも皆さん興奮状態でした。私も、爽快感と幸せ感一杯で大きな拍手をルイージとN響に送りました。


《少しずづ新緑が芽吹くNHKホール前》


《ズナイダー君のアンコール》


第1858回 定期公演 Aプログラム
2017年4月16日(日) 開場 2:00pm  開演 3:00pm
NHKホール

アイネム/カプリッチョ 作品2(1943)
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
マーラー/交響曲 第1番 ニ長調「巨人」

指揮:ファビオ・ルイージ
ヴァイオリン:ニコライ・ズナイダー

No.1858 Subscription (Program A)
Sunday, April 16, 2017  3:00p.m.  (doors open at 2:00p.m.)
NHK Hall

Einem / Capriccio op.2 (1943)
Mendelssohn / Violin Concerto e minor op.64
Mahler / Symphony No.1 D major “Titan”

Fabio Luisi, conductor
Nikolaj Znaider, violin
コメント (6)
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