その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

「麒麟がくる」の岐阜へGo to トラベル(その2)~寺社仏閣巡り~

2020-10-23 07:30:00 | 旅行 日本

岐阜は城下町だけあって、歩いているとやたらお寺や神社が目に入る。天空の城、稲葉山城から俗界に降りてきて、市街地に向かってブラ歩きをしている中、次々と素晴らしい寺社に遭遇した。

【正法寺 大仏殿】
 稲葉山のふもとにあったのと、手元のネット観光案内でも紹介されていたので、立ち寄ったのだが、これがなかなかのものだった。



江戸時代の天保3年に完成したという大仏は、奈良、鎌倉に次ぐ日本三大大仏ということなのだが、その真偽はともかく、寺に入ると像高13.63mの威容に打たれる。大イチョウを真柱として、骨格は木材で組み、外部を竹材にて編み、紙(お経)などを張り、その上に漆を施し、金箔をおいたものであるという。なので籠大仏とも言われるらしいが、乾漆仏としては日本一の大きさとのこと。表情はとても優しい。この微笑に接すると、包まれているような安心感がある。

 


〈正面とはまた違った表情に見える〉

【妙照寺】
 正法寺から100メートル程のところにある古寺。岐阜の観光協会のHPによると、「旧竹中半兵衛屋敷跡であったと伝えられており、松尾芭蕉と縁があり、貞享五年(1688)六月に来訪し、約一ヶ月滞在した」とある。
どこにでもありそうな、これと云った特徴があるわけではない小さな寺なのだが、その佇まいに不思議な落ち着きがある。松尾芭蕉の句碑もたっている。

【岐阜 善光寺】
妙照寺から1キロ弱程、歩いたところで見つけた。武田信玄が信州の善光寺から善光寺如来様を甲斐の国に持ち出したのを、信長が今度は岐阜にお迎えしたのが起こりらしい。本堂内には県の重要文化財指定されている釈迦如来座像があるらしいが、中には入れず。残念。

【伊奈波神社】
 善光寺の奥に、伊奈波神社という神社があった。山を背にして、敷地はかなり広い。入口には美濃国の三ノ宮との表記がある。

 中に入っていくと、敷地内に漂う不思議な「気」を感じる。寺で感じた、落ち着きとか、安らぎとかとは、むしろ正反対の感覚だ。何か、全身にエネルギーが満ち溢れていくようである。拝殿まで上がって、合掌すると、奥の本殿から冷ややかだが気持ちの良い風が吹いてきて、頬をかすめ過ぎていく。私のような、全く「気」とか「霊」とかは縁が無いタイプの人間でも、何かピシピシと電流のようなものをその風から感じるのである。

実に不思議な感覚だった。夕刻に近づいている神社境内は人は数えるほどだが、それでも熱心に何かを祈っている人もいる。確かに、何かがある神社である。ここは、強くお勧めしたい。


〈逆光で写ってないが、岐阜の市街を見下ろせる〉

【金神社】
秋は陽があっという間に落ちる。市街に戻って来た時には既に真っ暗。ホテルにチェックインする前に、ホテル近くの金神社(こがねじんじゃ)に立ち寄る。名前は超ストレートだが、神社の色も品が無いのではと思うほどに朱色。ただ、ライトアップされた神社は実に美しいものだった。

今日訪れたのは、岐阜市内の寺社の中でもほんの一握り。寺社だけで丸1日は優に過ごせる。

2020年10月2日

コメント
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