控訴審の判決から2年6ヶ月を経て7日鈴木宗男の上告棄却の最高裁判決が出た。
判決自体は100%の予想通りでそう大騒ぎする事でもなさそうだがテレビでは台風9号と並んでトップで報道されていた。それだけ鈴木宗男が政界での地位を回復していたという事だろう。
密集して花をつけるヤイトバナ
元々毀誉褒貶の激しい政治家だが一審、二審の傍聴を通して上記の事は痛感させられた。国策捜査との被害者意識が根強くあった事もあり、とにかく極端だった。自分に不利な証言や証言者は口汚く罵り、その徹底ぶりはあきれるほどだった。部下を語る時の尊大な言葉は将に軍曹の2等兵に対するそのものだった。
お灸の火の付いたもぐさに似るのがヤイトバナの由来
あのまま権力の中枢を突っ走っていたら日本はおかしくなっていた事は予測でき、広い意味での国策捜査には違いない。
控訴審での休憩時の雑談では人懐っこい笑顔で語り、政治家のオーラみたいなものも感じた。
記者会見では相変わらずの検察批判だが、裁判を通して少しは変わった事もありそうだ。収監されても独特の不屈の精神で1年5ヶ月余りを過ごして永田町に戻ってくる日を待ちたい。
青い空をバックに上へ上へと延びるヤイトバナ
菎莢(ざうけい)に 延ひおほとれる屎葛 絶ゆることなく宮仕えせむ 高宮王(万葉集3855)
菎莢(=カワラフジ)はジャケツイバラの別名、屎葛(クソカヅラ)はヘクソカヅラの事だがヤイトバナの別名もある。
「私の人生そのものの永田町にはいかなる形にせよ戻って来る」という彼の言葉は上記の歌に重なる。植物名を現代に置き換えて贈りたい。
カワラフジに 延ひおほとれるヤイトバナ 絶ゆることなく宮仕えせむ
一審、控訴審の詳細は鈴木宗男公判傍聴記をご覧ください。