荒川堤防内外はハナウドの白い花、ニガナの黄色い花が真っ盛りだ。
ハナウドは個々の花は小さいが放射状に多くの花がついて一つの散形花序を作り、それが十数個集まって直径20㎝以上の複散形花序を作っている。
それらを見比べると黒い葯が立っているもの、薄いピンクがかった雌しべがV字型についているものがある。雄性期の若い花と雌性期の花の違いのようだ。主軸の花序だけが実を付け、側枝の花序は雄花だけなので実らない。
一つの散形花序では周囲の花が大きく、大きい花の中でも外側の花弁が大きいのもハナウドの特徴だ。
散形花序は以前は繖形花序と表記したといい、糸編に散はカサの意なので花序の形が良く分かる。
道場4丁目にはキク科のニガナが群生している。
キク科の花は花弁に見えるのが舌状花という一つの花で5つの雄しべを持つ。雄しべは集約雄蕊といい葯が合生して一本の筒を作る。
その中に花粉を詰めると、ニガナでは雌しべの表面に生える上向きの毛が花粉を押し出すという。雌しべが伸びる時には柱頭は閉じている。十分に伸びた後で2つに開き他の花の花粉を受粉する。自家受粉を避ける巧みな知恵だ。