フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

雨の翌朝は空気も景色も全てうるおいがあります

2009年11月15日 16時09分47秒 | 花の和名
7日に見つけた念願のキカラスウリの実はまだ緑色のままでほとんど変化はないようだ。
今朝は荒川堤防上から富士山が遠望できた。昨日の雨でしっとりとした朝の空気の中の富士は新鮮だった。

一年目から花を咲かせたヒガンバナは花が終わって葉を茂らせている。これからの季節は高茎植物はないので冬の間太陽を一身に浴びられる。栄養分を貯め力をつける時期だ。他の植物が伸び出す夏には葉を枯らせて秋また突然に花茎を立てて花を咲かせる。来年は1ヶ所から何本くらい出てくるのかが楽しみだ。


線形の葉はまだ少ないですが毎年増えていくのが楽しみ

サクラソウ自生地はオギやヨシの穂が白く輝き、観察路では背丈以上に伸びて両側に林立している所、倒れ込んで狭くなっている所、広く視野が開けている所など様々。何処も朝日を受けてしっとりとしたたたずまいだった。
普段はすぐに風に飛ばされてしまうアキノノゲシの冠毛が水を含んでまとまって白く輝いていたのは新鮮だった。

そしてまた、コメナモミやフジバカマが逆光に浮かんでいたのが印象的だった。


フジバカマの冠毛


小春日和の河川敷 Part2 刈田周囲の湿地・帰り花3題

2009年11月11日 22時31分32秒 | Main
小春日和の10日、河川敷の刈田の周囲には緑と赤と黄色が華やかだった。
特にオオジシバリは径3㎝くらいの花を田の縁で咲かせていた。そして一部では葉が紅葉し帰り花ならではの彩りを見せていた。


11月10日午前11時30分

オオジシバリ(大地縛り)はキク科の多年草で、田の畔など湿り気のある所を好み、葉はへら形でジシバリより全体的に大きい。
タンポポ亜科の特性で小花は全て舌状花、葉や茎を傷つけると白い乳液が出る。名の由来は地を這う茎が節々から根を出し地を縛るように見える事からという。

今、多くのタネツケバナは頂小葉が大きく羽状に分裂した葉をロゼット状に広げているが、中に気の早いのは小さな白い十字状花を咲かせている。
タネツケバナ(種漬花)はアブラナ科の越年草。苗代を作るための種籾を水につける頃花を咲かせるのでこの名がついたといわれるが現代の田植えとは若干時期がずれる。

ナデシコ科のオランダミミナグサも早春の花だが、もう白い花をつけていた。

小春日和の河川敷 Part1河川道路沿道

2009年11月11日 07時45分18秒 | Main
青空は10日まで。水曜日からは天気は崩れるとの予報で小春日和の荒川河川敷にでかけた。
ゴルフ場沿いの未舗装の河川道路は殆ど草刈りなどされていない。でもそれが幸いして所々クコが繁茂している。まだ実は無理だろうと思いながらもゆっくり行くとルビーの輝きがみえた。よく見ると結構多くの実が付き花も咲いている。


花径約1㎝、花冠は5裂、雄蕊も5本


同じ枝で近くに付いている花と実。液果は約2㎝弱、もちろん食べられる

クコも小枝にトゲがあるが、厄介なのは同じような所に小さな赤や黄色の実をつけているノイバラの刺だ。ちょっとひっかけると強烈だ。
クコ(枸杞)はナス科の落葉低木。果実を酒や焼酎に浸した枸杞酒は強壮薬として知られる。


ヒメジョオンもこの頃になると可憐。コセンダングサのヒッツキ虫が悪役


小春日和にアカツメクサが咲きマユミが赤い種をのぞかせています

2009年11月08日 17時34分46秒 | 花の和名

自生地に降りる昭和水門近くのゲート付近の草地に先日来アカツメクサが伸びているが、このところの暖かさで花が増え草丈も伸びて将に小春日和そのものだ。
アカツメクサは図鑑ではムラサキツメクサが正式名でカッコ内表記だ。でも花の色からは赤詰草で現在はこう呼ばれる方が一般的だ。

明治維新の頃にヨーロッパから牧草として輸入されたマメ科シャジクソウ属の多年草。属名はやや放射状に出る掌状の小葉の配列に由来し車軸草。種としてのシャジクソウのみが在来種で、後の約12種は全て帰化植物という。

鴨川べりにはニシキギ科のマユミ(真弓)が淡紅色に熟した1㎝くらいの実をいっぱいに付けていた。

そして多くの蒴果は裂けて橙赤色の種子(正確には種子を包んでいる仮種被が橙赤色という)をのぞかせていた。

真弓の名は材が白く緻密で狂いが少ない事から昔、弓を作った事に由来するという。


晩秋を彩る野菊3種・シロヨメナ、リュウノウギク、アワコガネギク

2009年11月06日 15時40分07秒 | 花の和名
シロヨメナはヨメナの白花種とばかり思っていた。でも名前は葉がヨメナに似るのでつけられただけという。実際はヨメナ属では無くシオン属でノコンギクに一番近い。
属名のAsterはギリシャ語の星の意味で、頭状花が放射状に付く事から。日本名は紫苑で花の色に由来し、冠毛が長いのが属の特徴だ。

同じ白花で晩秋に咲くリュウノウギクは舌状花に厚みがあるように感じる。名は葉を揉むと樟脳に似た竜脳香の匂いがする事から。
キク科キク属だがキク属の学名表示は図鑑によって異なる。
「キク属はかなり性質の違う200あまりの種を含んでいたので、1970年以降に10以上の属に分割された。しかし別属とされた属の間で交配種ができるなど不合理な面が多かったため現在は一部を残し元に戻す傾向にある」(ウィキペディア)との事で、キク属も従来からのChrysanthemumと一時変更されたDendranthemaが混在するようだ。

同じキク属のアワコガネギクは中心の頭状花が半球形に集合して芳香を漂わせる。
属名のChrysanthemumはchrysos(黄金の)+anthos(花)に由来する。日本名は泡黄金菊の意で密集する泡のような小黄花を表わし、別名の菊谷菊は京都の自生地に基づくという。