フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

セッカの幼鳥に出会いました

2012年06月12日 19時27分46秒 | Main

大きく伸びたオオブタクサの枯れ枝に小鳥が止まっていた。それもかなり小さい。慌てて自転車を止めカメラをとりだした。普通はこの間に飛び去ってしまう。どうせ駄目だろうと思ってカメラを向けると警戒するそぶりながらそのままだ。


その時は気づきませんでしたが随分毛が軟らかそうです

何枚か撮って少し落ち着いてよく見るとどうも幼鳥らしい。まだ飛ぶ力が弱いのだろうか。飛び立つ素振りが無いのでより近づいたら突如ヒッ、ヒッ、ヒッ、と繰り返しながら飛び去った。やはりセッカの幼鳥だったようだ。


止まり方は独特です

セッカ(雪加)はウグイス科の漂鳥(留鳥)。スズメより小さくヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッと囀りながら上昇し、しばらくするとチャッ、チャッ、チャッと下りてくる。堤防付近ではヒバリと囀りの双壁だ。

花を付けているのはクサフジ。赤紫の花を張り巡らせた葉や茎や巻きひげの中に立てている。その蜜を目当てにハナアブやモンシロチョウなどが飛び交っている。


追いかけたりしていましたが・・・・・


1本だけ花穂を伸ばした若いヨウシュヤマゴボウは可憐でした

2012年06月10日 07時42分08秒 | Main

河川敷の原野のハナウドは花が終わり、果実の季節になっている。


ハナウドは主軸の花序のみが結実します

オオブタクサの中に1本だけヒョロヒョロと伸びていたヨウシュヤマゴボウを残しておいたら面白い花穂を付けていた。

ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)は原産地に因んだアメリカヤマゴボウの別名があるが、果時には紅紫色になりすべてが大きく派手になってまさにアメリカ的だ。でも若い花穂は色も形もういういしく爽やかで、よく見ると花径約8㎜の小さな花が面白い。ピンクがかった5枚の花皮片の中心にある子房はまるでカボチャだ。10個の心皮が合生しているといい同数の雌しべが伸び出している。周囲の雄しべも10本だ。


蕾のすぐ下の花で雄しべにはまだ白い葯が付いています

葯は花が開くとすぐに落ちてしまうといわれ蕾のすぐ下は付いていたが、少し下がるともうなくなっていた。


葯が落ちた雄しべはまるで無精ヒゲ?


ノダイオウの確実な生育記録は田島ケ原サクラソウ自生地だけという

2012年06月06日 19時18分37秒 | Main
そろそろオカトラノオ属の季節で、いつも最初に花を付けるA区で直立した花穂が白い蕾を付けていた。ヌマトラノオは花穂が直立しあまり花付きが良くない。でも花期は1ヶ月くらい遅い。


オカトラノオ属がサクラソウ科なのもちょっと不思議

オカトラノオの花穂の形に似て先が上がった個体も見られた。
オカトラノオ属は雑種を作り易くヌマトラノオとオカトラノオの雑種のイヌヌマトラノオがよく知られている。花穂がそれぞれに似た両者はイヌヌマトラノオと思うがこれから本格的に花を付けたらどうなるか楽しみだ。


オカトラノオに花穂の形は似ていますが葉は細い

B区の一番公園寄りにノダイオウが大きな姿を見せていた。タデ科のノダイオウ(野大黄)は外来種の多いギシギシ属の中では貴重な在来種で環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)にランクされている。


大黄は体の毒を下す漢方の生薬

先日発行された埼玉県レッドデータブック2011では絶滅危惧ⅠA類にランクアップされた。河川改修や湿地開発など人為的側面と帰化種エゾノギシギシとの競合で減少し、現在確実な生育記録はさいたま市田島ケ原サクラソウ自生地だけだという。


野大黄の花被には他のギシギシ属にあるこぶが無い


伸び出したノカラマツに絡む植物の巻きひげは様々です

2012年06月02日 16時04分53秒 | インポート
荒川河川敷はハナウドの花が終わり、ノカラマツがたくさんの蕾をつけ始めた。そしてツル植物も伸び始めシオデが多く見られる。シオデはユリ科の雌雄異株の多年草。葉柄の基部に生える托葉の変化した巻きひげで他物に絡みつく。
カラスウリの濃緑色の葉も見られたが、よく見ると葉の切れ込みが深く、モミジカラスウリのようだった。花を見たいがやはり夜咲く花なのだろう。


シオデの托葉の変化した巻きひげが四方八方に伸びています

クサフジが紫の花を付けて今の時期の河川敷ではよく目立つ。マメ科のクサフジは偶数羽状複葉で頂小葉が無く先が巻きひげになっている。葉は薄く卵形の葉が多数。ハナアブが来て忙しく飛び回っていた。


ハナアブの後ろの横に伸びた羽状複葉の先は巻きひげです
一瞬のニアミスでした

オオブタクサは引き抜くのに今がいい時期なのかもしれない。100cm前後に育っていてとにかく群生している。そう腰を曲げる必要も無いしまっすぐに引き抜けば力も要らない。そっくり空き地になるのも抜き甲斐がある。そしてハナムグラの白い花が現れたりすると気持ちがなごみ、抜いてよかったと思う。
アカネ科のハナムグラは相変わらず白い花をたくさんつけているが、小さな双頭の分果もつけ始めた。


ハナムグラの小さな分果