★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

思い出のカセットテープ

2015年01月29日 20時36分57秒 | ギター&ウクレレ
 高校1年の頃、田舎のロック小僧の私は、通販でエレキギターを買った。
 当時流行のヘビーロックに挑戦するためだ。
 
 手持ちのレコードや何人かの友達のレコードから、コピーしやすい曲をカセットテープに録音して、1本の練習用の音源を作った。
 グランドファンクから、クリーム、ディープパープル、ジミヘン、ツェッペリン、ビートルズまで有名な曲のオムニバス盤だ。
 
 その当時は当然ロックの楽譜なんてないので、ロックを志す少年は、曲を聴いてその音をギターのフレットの上に1音づつ落とし込んでいくのだ。
 テープからのコピーだが、これを所謂、耳コピ、レコードコピーといった。
 現在のロックギタリストも、例外なくこれをやっているはずだ。

 スタートの時点では、私もエリック・クラプトンも同じだったわけだ。
 世が世なれば、私もクラプトンと同じステータスをゲットしていたかもしれない。
 残念ながら、努力と才能、環境の違いがそれを阻んだのに他ならない。

 冗談はさておき、高校生の私は、土日は朝から晩まで、平日は帰宅後の3時頃から6時頃まで、寝食を忘れてレコードコピーに励んでいた。
 その甲斐あって、単音のフレーズはなんとか弾けるようになったが、コード部分は怪しいところも多々あった。
 単音のコピーは巻き戻しや早送りして、繰り返し聴くと音を特定できるが、コードのように複音になると、メジャー、マイナー、セブンスくらいまでしか聴き分けられず、テンションコードは無理だった。
 
 それでもある程度は、ヘビーロック然とした演奏にはなっていたように思う。
 最終的な仕上げは、ステレオにエレキギターを接続して、大音量でレコードと競演することだった。
 これがたまらなく気持ちよかった。
 目を閉じると、有名バンドと同じステージで演奏しているようなハイテンションな気分だった。

 私のギターの原点とも言えるあの練習用のカセットテープは、過酷な使用で音質が低下したものの、青春の記念碑として長らく机の引き出しの奥にしまってあったが、レコードがカセットテープに駆逐され、そのテープもCDに駆逐されるに及んで、いつの間にか行方不明になってしまった。
 しかし、私の記憶の引き出しの中では、青春の思い出となって、燦然と光り輝いている。
コメント
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