青春の反対語が白秋だ。
ちょうど私の年代だ。
歌や本やテレビ番組のタイトルに青春はあるが、白秋はほとんど見かけない。
あっても面白いんじゃないか。
飛び出せ白秋。
ビバリーヒルズ白秋白書。
愛と白秋の旅立ち。
出演者がアラ還ばかりになってしまうな。
白秋の門。
おん年60歳の信介しゃんの回想物語。
白秋の墓標。
浩平くん、生き長らえてるやん。
白秋時代。
白秋の詩。
白秋の影。
傷まみれの白秋。
落ち着いた達観あふれるタイトルだ。
白秋68きっぷ。
老人割引か。
白秋のほかにも、朱夏、玄冬があるが、これらを冠した歌やテレビ番組もないなあ。
やっぱり、青春の若さには勝てないなあ。
がんばれ、白秋。
1970年代の歌謡シーンに、暗い曲を歌う女性歌手が台頭した時期があった。
カルメン・マキ、浅川マキ、山崎ハコ、りりィなどが代表格だ。
そんな中でも異彩を放っていたのが、「懺悔の値打ちもない」でデビューした北原ミレイだ。
前述の女性たちがどちらかと言うと、アコギが似合うフォーク系の歌手だったのに対して、北原ミレイは純然たる歌謡演歌畑の歌手だ。
持ち歌の歌詞は阿久悠、なかにし礼をはじめ、当時の一流どころだ。
「懺悔の値打ちもない」も衝撃的な歌詞だったが、それよりももっとショッキングな歌がある。
「春」だ。
歌詞もそうだが、歌唱する彼女の声から溢れ出す、物凄い情念には圧倒される。
曲の最後の一節が衝撃的だ。