第2951話 旅先×読書

2021年05月02日 10時00分00秒 | Weblog

(前話・唯一の家族旅行の蛇足)

 

その日の旅行は、あいにくの雨。

日常から解放され、

時を忘れて 過ごしてもらおうと

旅館にはテレビも時計もなかった。

 

あの台風一過後、(前話参照)

私は 旅先に本を持っていく。

静寂の中、ただ雨音を聞きながら

読書する贅沢といったら・・・

私のそんな感動をよそに

主人はスマホでテレビを、

息子はパソコンでユーチューブを見ている。

どこにでも電子機器を持ち歩いて・・・

 

嵐の音だったり、

心地よく頬にあたる風の心地よさだったり。

その時の天気やにおいと共に読む物語の世界。

いつか息子も流れゆく受け身映像ではなく、

心に深く残る物語と出会ってほしい。

 

そんな私の願いがいつ届くのかわからないが、

旅先でいつも母が手に本を持っていたという映像が、

息子の心に残ることをひそかに期待して、

今日も旅行鞄に本を入れる。

 

※ 旅行鞄に本を入れて・・・13年、

いまだ息子に読書の兆しなし。

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