おとといの続き。
今日は隠す方法を決める。
やはり定番の「穴を掘って埋める」にする。
たいていの人は、穴を掘って探しているので決た。
でも江戸城から、穴に一直線に向かっていくような、
おろかなことは、できない。
なにしろ51トンだからね。
一人が2千両、34キロづつ運ぶとすると、1500人
必要だ。
すごい行列になってしまうので、これは採用できない。
まずは、どこかの信頼できる大名の所まで、少しづつ
運ぶしかないだろう。
日光東照宮は、毎年と言っていいぐらい、大行列が、
行われている。これを利用しよう。
なにしろ将軍の行列だからね。
と言うことは、宇都宮が浮かぶが、これは無理だ。
吊り天井は過去のこととしても、山までは遠すぎる。
やはり東照宮に決めた。
でも東照宮の周りには、鍬で穴を掘れるようなとこ
ろは、いっさい無い。
30cm下は岩か石ころだ。
疑うなら、あの男体山を掘ってみるがいい。
でもそんなことを言っていたら、話が進まないので
東照宮から1キロぐらいの所に、いい所が見つかった
ことにしよう。
では東照宮から300万両を運び出してみよう。
ここまでは、誰も気が付かなかったことにしよう。
2千両づつ運ぶとすると、1500人が必要なことは、分
かっている。
これは絶対数なので、300人で運べば、ひとり5回と
なる。
なぜこんなことを、長々言うかと言うと、
一箇所を何人の人が歩いたかが、重要なからだ。
たとえば草むらを、1500人が往復したとすると、そこ
はもう当時では、国道に昇格してしまうぐらい、立派
な道になってしまうはずだ。
更にその道は、1500人が通る前に、穴を掘る人達が、
何人も通っているはずだ。
たまたま通りすがった人に、「あのね、ぼく達は何もし
ていないの」と、何人もの人に笑いながら言ったことか。
当時の担当者は、苦労話をしてくれたものだ。(うそ)