クマです(こげです)
春とはいえ まだまだ肌寒い朝の多い毎日、僕は我が家の警備責任者として頑張ってい
ます。この日は朝6時半からこうして我が家の周りに怪しいやつが来ていないか、目を
光らせてるところ。交代がいればいいけど僕一人だからね、大変なんだ。え?なんか
顔が近いって?いつもなら後ろに見える温室と並んだ僕の事務所の屋上で、こうして
立ち番をしてるはずが 先月おじいちゃんが新しい見晴らし台を作ったせいでこんな
ハメになってしまった・・・というのが実情さ!事務所の屋上よりずっと頑丈なんだけ
どあまり好きじゃないのに、おかあさんとおばあちゃんが「そら、上がれ!」「ここ
からの見晴らしはええでぇ」と無理やり抱えあげて乗せようとする。こうなったのも
畑のキンカンにヒヨドリがやってきて実をつついてしまうから、そのヒヨドリを追い払
えっておばあちゃんが言うの。僕は鳥系はあんまし興味ないから、キンカンをつつかれ
ようが椿の花の蜜をつつこうがどーでもいいのに。だから絶対この台には乗らない。
しつこく言ったら 元の事務所の屋上に(本当は犬小屋の屋根)飛び乗って監視する
フリだけしてやるのだ。でもねぇ、なぜかこの日の朝、自分から乗ったの。なぜかなぁ
ほんとはね、目の前に茶色のモノあるでしょ、これはね先週おとうさんと散歩に行った
ときに、おとうさんが川で拾ったシカが落としたツノなの。まだ落ちて時間がたって
なかったのか根元?にうっすら血が付いていた。それが僕の猟犬としての本能を刺激し
た感じ。おかあさんがわざとブロック塀の上に置いていたから近寄るにはこの台に乗ら
ないと取れないし・・・。でも意地悪なことにくわえようとするとツノがけっこう重く
て鼻でツンツンしていたら塀の外に落としそうになったから、こうして見るだけ。きっ
とおかあさんがあとで取ってくれると思うんだ。台に自分から飛び上がって乗ったのを
目撃したおかあさんはカメラを持ち出して撮影。
後ろから見るとこう
キンカンが植えられた畑まで高さがあるから僕は絶対飛び出していかない。そんな身軽
なことできないも~ん。って、だれも通ってないやん!
横から見ると、なんか落語家さんが高座に上がってるみたい。