あきのうた

2005年11月08日 | Weblog

       おく山に紅葉ふみわけ鳴しかの 聲きくときそ秋はかなしき  猿丸大夫

       さひしさに宿をたち出てなかむれは いつくもおなし秋の夕暮  良暹法師
                                           (りょうぜんほうし)

  

                    山辺の道から見た大和の平野


        月みれは千々にものこそかなしけれ 我身ひとつの秋にはあらねと 大江千里

        みよし野ゝ山の秋風さよ更て 故郷さむくころもうつ也  参議雅経

                      奈良  大神神社(おおみわじんじゃ)

        夕されは門田のいなは音つれて 芦のまろやにあき風そふく  大納言経信

        しみじみと人の命の儚(はかな)さを 秋訪れて思う夕暮れ  西行法師

                           東大寺

        見わたせば花も紅葉もなかりけり 浦のとま屋の秋の夕暮  藤原定家

        心なき身にも哀れは知られけり しぎ立つ沢の秋の夕暮  西行法師

        さびしさはその色としも なかりけり 真木(まき)立つ山の秋の夕暮れ  寂蓮法師

 

                《写真は、昨年の秋に奈良に旅行をしたときに撮影したものです》