かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

「あなたを探しに」感想です。

2007-04-08 22:46:41 | マリア様がみてる
 選挙、終わりましたね。まだ開票が進められているのでしょうけど、知事は大体当選確実が出たみたいですし、我が県ではほぼ下馬評どおりの結果でした。この保守的な地方で対抗馬が共産党推薦候補だけ、では、もうハナから勝負は決まったも同然で、面白くもなんとも無い選挙になってしまいました。それでも投票には行きましたけどね。東京都知事選挙ほどは要求しませんから、せめてもう少し「対抗馬」と呼べる相手が欲しかったものです。でもこれからの県政にとってはまあ比較的まし、という形に落ち着いたとはいえるでしょう。共産党知事などあまり歓迎できませんし。私のイメージでは、共産党は議会で一定レベルの発言権を確保するだけの勢力であってくれれば良く、与党のブレーキ役、ご意見番、不正追求の清涼剤であれば存在としては十分で、けして上に立ってもらいたくはないのです。

 さて、1週間たちましたので、予定通り「マリみて」新刊「あなたを探しに」の感想など書いておこうと思います。
 今回は表紙からして祐巳と瞳子の2ショットで、しかもなんとも穏やかな雰囲気で肩を寄せ合う姿。永らく焦らしに焦らされた決着がついに付くのか、と期待させる取っ掛かりではありました。ですが、大方ご存知の通り、ほとんど99%話は付いているというのに、最後の決め手、ロザリオ授受だけが無かったという。次巻以降にお預けになっておりました。読み勧めている間、正直不安だったのです。バレンタインお宝探し大会の副賞にそれぞれカードを発見・隠し場所を予想した優勝者と仲良く(?)デートする次期薔薇様3組の模様を次々切り替えながら中継していく様子は、まあそれなりに楽しめましたのですが、肝心の祐巳瞳子組の歩みが遅々として、見る間に裏表紙が迫り残りページが少なくなってきましたから。といって、その遅さが悪いといっているわけでもないのです。一歩一歩最後のカタルシスに近づくためのタメの時間とでも申しましょうか。瞳子の秘密の核心部分にそろそろと近づいていく展開はいいと思います。でも結局最後の1歩までページが足らず、画竜点睛を欠いた気分にさせられたのはいただけません。後少なくとも50ページ、最低でも30ページは無いと最後までいけなかったと予測されるのですが、逆に言えば次の巻はどうやって間を持たすのでしょう? ざっと50ページ分の話を200ページほどに膨らませるにはどうしたらよいか。自分ならどうするか、と考えるのもなかなか楽しいと言えなくはないですが、出来ればそんなこと考えなくてもよいようにケリをつけておいて欲しかった。祥子祐巳が出会いからロザリオ授受まで1巻でけりが付いたのがもう夢のようです。
 さて、お話的には、紅薔薇組より黄薔薇組の二人の方が単純に楽しめました。仲が悪い、というより由乃が一方的に突っかかっているだけ、という感のあるでこぼこコンビでしたが、次第に打ち解けて仲のよい悪友同士、という感じにまとまっていく姿は結構素朴にうれしさを覚えさせる光景でした。唯一気になったのは、もちろん誤植じゃなくて、二人がすったもんだの末、観る羽目に陥ったホラー映画、「血みどろ屋敷の経文」。これだけではありませんが、二人が観る観ないでもめていた映画の題名、3つとも少々センスが悪すぎるのではないでしょうか。小さいことではありますが、せっかくの楽しみが興を削がれるようで惜しいと思うのです。ま、それを別にすればいい話だったと思います。それにしても、ちさとさんというのはいいキャラに育ちましたね。前巻に続き、蔦子、真美に次ぐ次期薔薇様トリオに絡む重要人物になっても不思議でない存在感を示してくれました。
 一方いまいち良くわからなかったのが白薔薇組の話。とりかえばやはいいんですが、どうもとってつけた感がぬぐえない内容に思えました。黄薔薇組で「去年のリベンジ」を先に考えて、では白でも去年をなぞる形にしよう、とかいうような発想で無理無理話を詰め込んだような話でした。お相手の1年生キャラの設定もどうも薄っぺらいように感じてしまうのは、主要キャラクター達の濃さに慣れてしまったが故の贅沢なのでしょうか。これならいっそ中学生にでもしといた方がまだしもインパクトがあったような気もします。
 
 色々ありましたが、次次第でこの巻の評価は大きく変わりそうな気がします。1巻だけ見ると不満たらたらな内容でも、次のやつと合わせるとたちまち至極の銘品に変わる様を過去見ていますから、是非今回もそれを期待したいです。多分次は夏でしょうか。夏コミ追い込み時期にかからないようにお願いできたらうれしいですねぇ。

コメント
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